幼い頃、母がクリスマスイヴに事故死した。
次の年、クリスマス前に父親から
「サンタさんに何をお願いしたの?」
と聞かれた。
私は
「おもちゃいらないから、1日でいいから
おかあさん生き返ってほしい」
と言ってしまった。
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幼心にも死んだ人は生き返らないとわかっていたけど、
サンタさんなら魔法で何とかしてくれるかもと思った。
父は「お父さんもそうだったらいいなって思うよ」
と言ってクローゼットに顔を突っ込んで震えてた。
クリスマスの朝、目の前にあったのは大量のプレゼントだった。
お姫様みたいなドレスやアクセサリーや当時大好きだった
アニメのグッズやぬいぐるみやおもちゃ。
私は嬉しかったけど、やっぱり母には会えないんだと
がっかりした。
でも何となく父にその姿を見せてはいけないと思って
大袈裟に喜んだ。
その年以降、父から「サンタさんに何をお願いしたの?」
と聞かれる事は無かった。
母がいた頃はサンタさんは私が一番欲しいおもちゃを届けてくれたけど、
次の年からは全く予想外のおもちゃが届くようになって、
私は父がサンタだと気づいてしまった。
まだ幼稚園児だったからその頃の記憶なんて
ほとんど無いけどこれだけは衝撃的で覚えていて、
クリスマスシーズンが来る度に切なくなる。
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