広い駐車場を持っているアパートが近所にある。
大家さんは長年地元に住んでいるお婆さんで、
他にも不動産を複数持っている。
そこへ幼稚園児を連れたAさんが現れ、
娘の送り迎えの間だけ車を置かせて欲しいと言ってきた。
大家さんは場所も空いているし
短い時間なら、と好意でそれを了承。
Aさんは確かに最初のうちは、数分車を止めるだけだった。
それから数ヵ月後。
だんだんと長くなる駐車時間。
勿論お金は払っていない。
大家さんがAさんに長い時間停められるのは
困ると言うも、その場では謝りながらも
行動は変わらず。
酷いときには丸二日停められていたらしい。
大家さんは優しい雰囲気の
小さなお婆さんで一人暮らし。
だからAさんは増長していったのかもしれない。
そんなある日、
Aさんは単身赴任する夫の元へ娘と向かった。
勿論車はアパートの駐車場へ無料駐車。
かなり長い滞在で1週間近く車を停めていた。
そして帰ってきたAさんが見たのは、
長さが半分に潰れた車。
駐車場の隣の今は使われていない田んぼに落ちていた。
半狂乱になりながら警察を呼ぶAさんだったが、
結局犯人は分からず。
大きなトラックのような車で何度もぶつけられたのでは?
と警察からは言われたらしい。
ところで、この大家さん。
小さなビルもひとつ事務所として貸しているのだが、
相手はヤの付く職業の方々で。
もう30年近く契約していて親しいらしく、
それらしき男性方と大家さんが
井戸端会議しているのを何度も見かけている。
田舎のとあるセコケチママのお話でした。
単身赴任中の駐車は皆さんの仰るとおり、
駅に停めるとお金がかかるので
より近い大家さんの所へ停めていたんだと思います。
車潰し事件は真相は分かりません。
もしかしたら犯人は全然別の人かもしれないし…。
大家さんは普段はニコニコと優しい、
可愛いお婆ちゃんです。