先に惚気だと断っておく
俺の妻は想像力がたくましくて
いつも考えてることがぶっ飛んでて、
それを平気で口に出してたから学生の頃は
アホの子と言われてた
大人になるにつれ黙ることを覚えていったけど、
親しい人の前ではいつでもアホなことを口に出していた
人によっては妻のそんなところを残念ポイントと言うんだが、
俺は妻のそんなところが好きで結婚した
考え方がポジティブだったんだよね
例えば蛾が家の中に入り込んで柱に張り付き
擬態してたり、外に干してる布団にゴキブリが
引っ付いてたりしたとき
俺はそこでキャーキャー騒ぐ人は好きじゃないだが、
虫が苦手な妻は俺を呼びに来て
「蛾がお家とシンクロして一体化しようとしとる!」
「お布団と一緒にゴキブリが日向ぼっこしとる!」
という言い方で報告して、なんとかして欲しいと伝えてくる
キモいとか殺してとかネガティブな言葉を使わない
前に妻がマーブルチーズケーキを作ろうとして
混ぜ加減がわからず、単なるチョコ入りのチーズケーキに
なったんだけど
「義母さんのリクエストのチーズケーキに
義父さんの好きなチョコを混ぜて皆で楽しめるケーキにしました」
と自信満々に言ってのけたり、
それに対して兄嫁が
「味はいいけどマーブルチーズケーキとしては5点」
と皮肉って評価したのに対し、
「前回は3点満点の3点だったのが、今回は5点の満点の5点です!
なんと評価の上限があがりました!私すごい!」
と超ポジティブに自画自賛してみたり
兄嫁は妻のようなタイプが嫌いらしくて、
最初から相当キツイ態度なので当然妻も
嫌味だとわかってはいるが、
その上で兄嫁と敵対するでもなく、
全部ポジティブに受け流すところが俺はすごく好感が持てている
妻のポジティブなところは他人にも発揮されて、
人の失敗も相手に相当の非がなければ
ポジティブに受け入れて許してしまう
親戚の子が牛乳をこぼしたときは、
一緒に雑巾で拭きながら
「牛乳拭いたあとの雑巾ってね、
ほわいとだすたぁっていうとても危険な武器になるのよ」
と、ショックで涙目の子に話して気を紛らわせ、
無垢な雑巾(新品の雑巾のこと)をそんな兵器に変えてはいけないと
約束してた兄嫁には
「人の陰口とか一切言わない良い子ちゃんの方が
内心腹黒くて禄な人間じゃない」
と言われ結婚を反対されたが
俺はもし妻がそんな人間だったとしても、
一生その心の声をポジティブな言葉で隠し通すなら
なんの問題ないと思う
俺以外の人が妻の言動に魅力を感じないのなら、
幸いだった
俺ごときのスペックなら、
ほぼ全能力が俺の上位互換の妻は
本来振り向かせられなかっただろうから
学生のころからトータル10年粘って結婚してもらえたのは
ライバルが出現しなかったのも大きいと思っている
ヒエラルキーっていうか兄嫁の選民意識っていうか、
妻の家は父親がDVと経済DVするような父子家庭だったから
俺の家と兄嫁の家は世帯年収2000万超えるような家庭で、
特に兄嫁の親は政治家にも絡んでて
曲がり間違っても妻のような家の子と縁続きになるなんてって言われた
俺の両親はそんな由緒ある家でもないんだからと言っていたけど
兄嫁は聞く耳持たずだしさ
だから俺たちの結婚式に兄と兄嫁は来なかったよ