小学校の友人Aの話
Aはお母さんが亡くなり代わりにAのおばあさんが
ずっと世話をしていた
お弁当もどうしても煮物中心になってしまう
しかし私たちはその煮物がおいしいのを知っているので、
Aの隙を狙ってちょくちょく失敬していた
Aは「おれの食べる分がなくなるだろう!」
と言いながらも結構嬉しそうだった
参観日にはもちろんAはおばあさんが来る
しかしみんな
「Aのおばあちゃ〜ん」
と手を振っていた
そんなある日、参観日に一学年下のBがAのおばあさんを指さして
「きたねえくそばばあが来るんじゃねぇ」と叫んだ
Bはみんなの賛同を得られるかと
先輩(私たちの学年のBをかわいがっていた男子)たちを見たが、
彼らは顔色変えずにBに近づくと
頭を一発はたき、首ねっこをつかまえると
Aのおばあさんに一礼してからどこかへ引きずって行った
Aのおばあさんは目を丸くしていたが、
今度は私たち女子に
「こんなところにおばあさんいた!Aくん向こうで待ってますよ、
行きましょ」
と腕を引っ張られ「あらあら」と言いながら
廊下を走っていた
Aのおばあさんはみんなのおばあさんだった
ちなみにBはぼこぼこにされたあげく、
親にAのおばあさんへの失礼な言動を目撃されたらしく、
その日の夜にAの家に両親とそろって訪問
頭を丸くして土下座してお詫びをしたという
しかしおばあさんは優しく許したそうだ
Bは号泣、B父も泣いていたらしい