日曜日に友達Aと一緒に自転車で友達Bの家に遊びに行った。
Bの家は周りが田んぼだらけの長閑なところで、
話し込んでるうちに遅くなって暗くなる前に帰らなきゃと
河川沿いの土手を一気に走って帰ることにした。
Aとは横並びで自転車をこいでたら道の端に1台の車が止まってた。
その車に近づいたときに突然陰から男の人が飛び出してきて
ズボンからあれを出してプロペラみたいに振り回しながら
「見て見て!オレの大きい?ねえ、大きい?」
って話しかけてきた。
きゃあああああああああああああ!!!!って悲鳴を上げながら
立ちこぎで必死で逃げたんだけど、
怖かったのとビックリしたのとで涙がポロポロ出てきて、
気が付いたらわんわん泣いてた。
私があまりに激しく泣いたからAは逆に冷静になったらしくて、
お母さんみたいにヨシヨシしてくれて家まで送ってくれた。
でも私がそんなにも泣いたのは別の理由があった。
Aには言えなかったけど、その男は私の従兄だった。
顔を見たのは一瞬だけど従兄の顔は間違えない。
せめて顔を見ただけだったら見間違いだったかもと思えたけど、
あの声も間違いなかった。
従兄の方は私に気付いたかどうか分からないから、
その後従兄に会うのが怖くて怖くて、顔を合わせそうな
親戚行事にはなんだかんだ理由を付けて一切行かなかった。
それから割とすぐ・・・と言っても1年後か2年後だったと思うけど、
その従兄はサーフィン中に海で溺れて亡くなった。
そのお葬式には行った。
おばちゃんと従姉が号泣してて、
私の両親も貰い泣きしてたので私も嘘泣きで誤魔化したけど
心の中ではホッとしてた。
その後、従姉の結婚式に出席したとき、
亡くなった優しいお兄さんにこの晴れ姿を見てもらいたかったと
会場の正面スクリーンに従兄の顔がドーンと現れたとき、
女子高生にあれ振り回して喜んでるヘンタイだったけどな、
とこっそり毒付いたのは内緒。
今でもそのことは誰にも話していない。
おじちゃんやおばちゃんや従姉は好きなので
墓場まで持って行くつもり。