ちょっと気持ちの整理がつかないので書かせてください。
子供の時に誘拐されそうになったことがある。
小学校1,2年生の頃だったと思う。
当時の私は、小学校から帰ると公園で遊ぶのが日課だった。
その日も駄菓子屋で買ったお菓子を手に公園で遊んでいた。
公園には私しかいない。
一人で遊んでいると知らないおじさんが声を掛けてきた。
「君、〇〇さんのお孫さん?」
「〇〇さん」とは祖母の名前ったので、私は頷いた。
おばあちゃんの友達と思い込んだ私は、
警戒心もなくおじさんとおしゃべりを楽しんだ。
そして会話が途切れた時、ふとおじさんが呟いた。
「俺さあ、君のおばあちゃんのせいで仕事をクビになったんだよね。」
当時、相当にアホだった私には
その言葉の意味が分からなかった。
首をかしげる私に、おじさんは続けて
「一緒に行こうか。」と手を引っ張る。
「知らない人について行ってはいけない」という母親の言葉を
かろうじで覚えていた私は大変困った。
しかし、おばあちゃんの友達なら知らない人じゃないし…
とついて行こうとしたところでおじさんが言った。
「お菓子でもなんでも買ってあげるよ。」
繰り返すが私は本当にアホだったので、
その言葉を
「おじさんはお菓子を食べたいんだな」と解釈した。
そこで持っていた駄菓子をおじさんに見せて、
一緒に食べようと提案した。
今思うとおじさんはさぞかし困惑しただろうなあ。
ブランコに並んで座り、
お菓子を食べながらまたおしゃべりをした。
今度は私の学校のことを話していると、おじさんが聞いてきた。
「学校、楽しい?」
私が「楽しいよ!」と返すと、
おじさんは「そっかあ……」と返してくれた。
夕方5時になり、夕焼け小焼けのチャイムが流れる。
このチャイムが鳴ったら帰る時間だ。
マイペースな私はおじさんに手を振って帰路についた。
……という不思議な思い出があったんですが、
最近実家に帰省した際にですね
「アンタは情けないね!私が仕事してた頃は
気に食わない奴がいたら追い出してやってたよ!」
との最悪に胸クソ悪い自慢話を祖母にされました。
裏が取れてしまった。
どうやら祖母はパートグループのボスだったらしい。
気に入らない社員がいると「あいつを辞めさせないなら
パート全員で辞めてやる!」と追い出していた模様。
私は今、パートさんがいる職場で正社員として働いている。
幸いにも周りは良い方達ばかりだ。
同じ立場になってみて、あの時のおじさんの気持ちを
想像すると本当に申し訳なくなる。