2年前、親父(定年退職済)が一度コンビニで
万引きをやらかして捕まったと母から電話で聞いた。
母がその時は迎えに行って、店に弁償したので、
お説教されて終わったという話を聞いた。
そういや高齢者の万引き多いってニュースは聞いたことあったから、
親父もそんな年なら気をつけなきゃな、と思った。
その後俺の方から意識的に電話したりするようにはしたけど、
その後は別にトラブルもないみたいで、結局電話をかけなくなった。
かけなくなってしばらくしてから、事態が急展開した。
親父がまた別の店で万引きやって、今度は警察に逮捕されたという連絡が入った。
連絡したのは国選弁護士で母親じゃなかった。
何とか予定つけて会いに行って、国選弁護士も俺と会ってくれることになった
最初、親父はまた万引きしたのかと思ってたんだが、
親父と会ったら親父は見る影もないほどやせ細って汚れた感じで驚いた。
しかも、親父が母に家から万引きしたから今日は外で寝ろと
言われて無一文で追い出されて、その日は我慢して
翌日帰ろうとしても入れてくれなくなって、食べるものに困ってやったって言いだした。
親父はそこからホームレスになって、地域の知り合いにちょぼちょぼ
恵んでもらいながら暮らしていたらしく、近くの公園で寝泊りしてた。
夏場だったからまだよかったが、東北で雪も多いから冬になったら
絶対凍死するようなところだった。
俺に電話をかけて助けてもらおうと思ったらしいんだが、
俺の電話番号を覚えていなかった上に、
携帯も勝手に没収された。
しかも通帳もカードも没収されて、結構もらってた
退職金も自分では使えなくなってた。
最初にやった万引きも、母に金を全部握られて全く使わせてもらえず、
たまらなくなって雑誌を持って行こうとしたらしい。
警察の方も事件が起こって初めて深刻さに気付いたらしく、
「家宅捜索&押収」という形で携帯を押収して、
それを返してもらってようやく親父に携帯が戻り、
それで弁護士がようやく自分にかけることができたそうだ。
と聞いても、最初はなかなか信じられなかった。
ちょっとこじれて大げさに言ってるだけじゃないのかと
思って母に電話してみたが・・・親父の言ってることが
本当だったと信じるしかなかった。
お前が引き取らないから悪いんだとか万引き犯なんかとは
即離婚だとか、結婚生活の不満を洗いざらい俺にぶつけてきた。
親父から財産分与と慰謝料でこの家もらうんだから
追い出したっていいだろうが!!とまでキレてたな。
今思えば、前にしてた電話も母ばかり出てて
親父は電話に全く出してもらえなかった時点でおかしかったんだよな。
弁護士があちこちに話を聞いてくれていたが、
近所の親父の知り合いたちも見かねて母親に追い出すのは
酷いんじゃないか、せめて荷物だけでも回収させてやってくれ、
お金返してやってくれと言ってくれてた。
だが、母親に警察呼ぶと言われて引き下がったらしい。
知り合いから役所に何とかしてくれと頼んだらしいんだが、
100%親父名義の家があるから生活保護は
ダメという理由で追い返されていた。(弁護士は役所も酷いと怒ってた)
警察に行っても家族のことだから民事不介入ってことで追い返されていた。
知り合いも一泊二泊なら泊めてくれる人もいたんだけど、
長期間泊めるのは難しかったそうだ。
親父は他にも万引きをやっていたみたいで裁判になったが、
なんとか執行猶予ってことになった。
流石に事態が事態だったので女房もOK出してくれたので、
一時的に釈放された親父を家に迎えて、
万引き弁護してくれた国選弁護士に追加費用払って、
親父に母と離婚調停起こしてもらった。
調べてみたら、親父の退職金も母がかなり使い込んでいた
(何に使ったのかは言おうとしなかったが、どう見ても生活費じゃない)。
調停で財産分与だ、慰謝料だとごねてたそうだが、
財産分与なんて使い込んだ退職金と追い出した
慰謝料を見逃してやるので十分だろ!!犯罪なんだぞ!
と脅してもらって、金銭の支払なしで離婚成立。
即座に実家からは叩きだした。今はその実家を売って、
親父はその金と退職金を使って老人ホームに入って暮らしてる。
退職金は使い込まれてはいたがまだまだ残ってたし、
自由に使えれば金に困るような状態ではなかったから。
母親はどうなったか知らん。一度生活費困ってるんだけどって
電話がかかって来たが、「お前が親父にやったことじゃねーか」
でガチャ切り、後は全部着信拒否にしてやった。
弁護士は裁判されたら払うしかないかもと言っていたが、
裁判迎え撃ってでも許さんつもりでいる。
別居して10年くらいになってて、季節ごとに
顔を合わせるくらいだったから、生活状況はよく知らなかった。
同居時代は特に問題があると思ったことはない。
ただ家にいる時間が短くて60過ぎてもかなりの仕事人間だったとは思う。
その分稼ぎは良かったし、家にいるときは愛想は良かったと思う。
親父は思ったことをズケズケいうタイプで、
女房も「頼りにはなるが鬱陶しい」と言ってた。
親父が原因でこじれるとすればそこくらいしか浮かばない。
親父はあれからすっかり無口になって何があったのか
聞いても口を噤んじゃうので、弁護士もあきらめてた。
調停で母から反撃の言い分が来るのか弁護士も戦々
恐々だったらしいが、調停でもよくわからなかったそう。