気持ちいいなぁ・・お父さんゴメンね 。酔っ払っちゃった

私がまだ若かった頃の話・・
17歳だったかな・・・
その頃には親公認で煙草、酒・・
子供の頃から
「人の物は絶対に手を出しちゃいけない!」
と言われ続けたので
万引きには手を染めず済んだ
「人に迷惑をかけるな!
 それ以外なら何をしたっていい!
 

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 何だって経験だから・・・」
私が少しヤンチャになった頃、父に言われた
私は親の言う事を聞かない
だから、そこは諦めて
窮屈にさせずにいてくれた
私には女の子特有の
「お父さんが嫌い!!」の時期が無い
嫌いになる原因が無かった
カッコよくて
優しくて
絶対に守ってくれる・・
私の事を世界で1番愛してくれている!!
という自信もあった

なので、嫌いになんかならなかった
むしろ大好き

話は戻る・・・17歳の夏
真夜中に帰ってきたり・・
帰ってこなかったりの娘
だからと言って
特に悪い事をしている訳ではなかった
友達の家で朝まで、しゃべったり・・・
たまーーーーに、
町に出たりはしていたものの
彼氏は欲しいがナンパ等の
つまらない男の子達には興味も無かった
ある日父から

「麗子たまには、お父さんと飲みに行こう
 何でも好きな物食べて
 何処でも連れて行ってやる
 チョットおしゃれしてこい」

と言われた
面倒のような気もしたが、
その頃、夜の街に興味も有り出掛けた
町に出る車中で父が言った

「今日はトコトン飲むぞ!!
 もうダメって程 飲め
 お父さんが責任持つからな
 アホみたいに飲もうぜ」

おいおい いいのかよ・・・
お母さんに怒られるぞ~

などと思ったがお父さんが
責任持つんだからいいか・・・

1軒目 父行きつけの串焼き屋に到着
女将の「みっちゃん(父)が彼女連れて
 来ちゃったかと思ったよ~」の1言で
気を良くした父は2軒目から
彼女だって事にしろよ!
と完全に舞い上がった様子

二人でかなり飲み店を後にする
2軒目 父の行きつけのクラブに到着
父のご指名の女の人に
「娘さんでしょ?」とアッサリ見破られるも、
これまた上機嫌
「俺に似てるんだよなぁ・・
 目が似てるからなぁ・・」
要らぬ説明をし、嬉しそうに飲み続ける

3軒目 父の行きつけの寿司屋に到着
大将に「いいなぁ娘と一緒に飲みに行くなんて
 幸せだねぇ。親父の夢だよなぁ」
等言われ、またもやご満悦

「好きなもん喰えよ!
 たまにしか一緒に来ないんだから」

と父初めてじゃん・・・小さな見栄。。
張ったな。。。

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4軒目 父行きつけの居酒屋
この辺はもう覚えていない・・
何を飲んだかも・・話の内容も・・

5軒目 父行きつけのスナック
まったく覚えが無い
カウンターにつっぷしダウン
父はタクシーを呼び私を背負ってくれた
この時一時的に意識を取り戻し

「気持ちいいなぁ・・お父さんゴメンね
 酔っ払っちゃった」

「いいよ。寝てろ」

朝、目覚めると
部屋のベットに寝かされていた
父と顔を合わせるのが気まずい・・・
リビングに行くと父はもう出掛けていた
母に広告の裏に書いた手紙を渡された

「麗子へ

 昨日は楽しかったな
 また、行きたいよ。また一緒に行こうな
 昨日、麗子が飲んで
 グロッキーした酒の量はわかるか?
 ビール2杯、チュウハイ5杯、・・・・。

 それが、お前の量だぞ
 今度、誰かと飲みに行っても、
 その量の手前で帰ってこい
 世の中はいい奴ばかりじゃない
 騙してどっかに連れて行かれたら
 お父さんは守ってやれないから

 だから、お前の量を
 教えようと思ったんだ
 必ず守ってくれよ
 お父さん信じてるけどな・・・
           お父さんより」

涙が出るのを必死で堪え朝食を食べた
母が、お父さんはずっと心配していた・・
でもどういう風に
伝えたらいいか悩んでた・・
縛ってもいけない。
あの子は、そういう子だから

縛ったら帰らなくなる子だから・・・
今思えば、
あの頃本当に心配だったと思う
好き勝手な事をして遊んでいたから・・・
ありがとう。お父さん
お陰で誰かに騙される事無く遊べました。

お酒で失敗は、あまりしませんでした。
つまらない事で傷つく事も無く
青春を謳歌いたしました
感謝しています。

女の子を持つ父親は
きっと自分が男だけに心配なんだろう
父も昔のようにカッコ良くはなくなった
もう、お爺ちゃんだ

あの頃のように夜の町を歩く父は、
もういない
趣味の畑で野菜を作り
私や孫に食べさせるのを楽しみにしている
今の私があるのは父のお陰だ
いくら感謝しても、足りないな・・・

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