友人が亡くなったあとも5年以上友人から年賀状が届いていた

友人のA、結婚後旦那さんの母親と同居していた。

Aが結婚した時私はまだ独身で、
結婚後招待されて一度だけ友達みんなで
新居に遊びに行ったことはあるけど
お姑さんが視界に入る位置に常にいて、
なんとなく落ち着かなかった。

その後連絡を取り合う回数が徐々に減って行ったのは、
Aが携帯電話を解約させられて
連絡をとるにはAんちの家電にかけるしかなくなったから。

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家電には必ずお姑さんが出て、
こちらが名乗るとハッキリと声のトーンが下がり
Aを呼び出してもらうように告げると
これまたハッキリ不快そうな声になる。

このお姑さんが苦手なことを告白して、
専業主婦でも携帯ぐらい持ってていいんじゃない?って
また持つように勧めたこともあったけど
ダメなものはダメなんだって。

連絡を取る手段が携帯どころか
メールすら無くなってしまうと
気軽に連絡取り合えて、気楽に遊べる人たちとばかり
遊ぶようになっていった。

その後私も結婚が決まって、
その時はAにも招待状を出したんだが
「欠席」で返事がきた。
なんとなくAは出席してもらえないかも・・・と
予感あったのが的中した。
お祝いを送ってくることもなかったので、
逆に心配になった。

その時の気持ちを
うまく言い表すことができないんだけど、
元々はそんな不義理するような子じゃなかったし
そんなことがあって思い出してみると、
Aの結婚ってなんかおかしかったなって。
まだ25にもなってなかったのに、
お見合いしてあっと言う間に婚約して結婚して、
しかも母子家庭でお姑さんと同居って、
何をそんなに急いで結婚したんだろうって。

結婚後に新居に友達を招待した時に
Aの事が話題に上がったが(みんな共通の友人だった)
みんな私同様にお姑さんのことが気になって
連絡し辛くなって疎遠になってた。
やっぱりみんなAが携帯を持たなくなったのが
気にかかってたらしい。

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でも結局A本人が動く気がない以上
どうしようもないねって話になって
私も自分の生活に一杯一杯で、
いつかAのことは忘れがちになっていった。

年賀状だけは出してたし、Aからも届いてたけど
「また会いたいね」って書いて出しても
Aからはコメントがなくて
印刷されただけのものだったので、
徐々に形だけの年賀状になっていった。

恐ろしかったのは、それから10年以上経ってから
Aが亡くなっていたことを知った時。
自らだった為密葬?家族葬?だったらしく、
友人たち誰も知らなかった。

ほとんど付き合いが無くなっていたから
当然と言えば当然だけど、
知ったのは亡くなってから5年以上経ってた。

ちなみにそのことを知った経緯ってのも、
友人のひとりの従妹がたまたまAの近所に嫁ぎ、
お嫁さんが亡くなったのに平常通りに暮らしてて
笑い声まで聞こえる妙な家があるって話を聞き、
その話をよく聞いたらAんちのことだったってわけ。

“恐ろしかった”というのは亡くなったことではなく、
亡くなったあとも年賀状が届いていたこと。
お姑さんか旦那さんか分からないけど、
まるで亡くなったことを隠すように。
どうりで印刷だけだったはずだ。寒気がしたわ。
だけど何故隠す必要がある?
最後ぐらいお別れしたかったよ。

これがドラマか何かだったら
友達同士で協力しあって、何故そんな家に嫁いだのか、
何故亡くなったのか、何故それを隠されたのか、
謎を解き秘密を暴く展開になるんだろうけど
Aも余程辛かったんだろう、
楽になって良かったのかもしれない、
と思うことしか出来ない。

できればみんなでお墓参りに行きたいけど、
Aの実家も知らないしどうしようもない。

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