思い出して書いてみようと思いました。
長くなりそうなのでお暇な方以外は
スルーして下さい。
旦那と知り合ったのは学生時代。
春休みの制服採寸のバイトでした。
好きだったアーティストの話で意気投合。
やさしくて朗らかで、
よく手際が悪い私のフォローを
してくれていました。
妹扱いされていたので、
相手にはされないとわかりつつ
思いを寄せていました。
どうせこれで最後だと、
勇気をだして告白しようと決めたバイトの最終日。
タイミングを見計らっていたら
旦那からドライブに誘われました。
その後の予想外だった旦那からの告白。
私も心臓バクバクになりながら手紙を渡し、
その日から交際が始まりました。
両思いだったことが嬉しすぎて
完全に舞い上がっていました。
若かった。
喧嘩もしながら付き合いは続き、
就職後おたがい忙しくなってからも
連絡は取り合っていました。
ある日、旦那と連絡がとれなくなりました。
マメだったのに数日全く折り返しもない
というのは初めのことでした。
会社の帰りに旦那の家まで訪ねましたが不在。
気がかりだったものの、私は出張もあったので
長居は出来ずに家を後にしました。
しばらくして、
やっと旦那から電話がかかってきました。
連絡がとれなかったことを詫びられました。
理由を聞くと、歯切れの悪い返事。
重苦しさを感じていたところ。
旦那から「本当にごめん、別れよう」
と告げられました。
何を言われたかわからず頭の中は真っ白。
理由は教えてもらえませんでした。
その後、未練がましいのは承知で
やっぱり話がしたくて一度電話をかけました。
やっぱり出てくれず、
ああもう終わったのだと思いました。
気持ちに整理がなかなかつかず、
それからの私はしばらくはずっと抜け殻でした。
仕事以外に何をして過ごしていたのかも
よく覚えていません。
やがて仕事も忙しくなり、
気づけば最後に旦那に会った日から
2年近く経っていました。
それでもまだ未練はたらたら。
思えば初めて告白するほど
好きになれた人だったし、
このままずっと忘れられないんだろうな
なんて思っていました。
誰かを紹介されても
何にも感情がわいてこない。
そんな私に業を煮やしたのか
友達がこう勧めてきました。
「美化しすぎているんじゃない?
理由も教えてくれなかったんでしょ。
好きな人が出来ていたんだよ。
まだ電話が出来るなら
もう一度会ってみたら?
きっと吹っ切れるよ」
その友達は忘れられなかった元彼に会い、
冷めたことで吹っ切ることができた
と言いました。
私の場合は、まだ好きなのに会ったら
冷めてしまうんだろうかと
考えていたのでなかなか電話ができず。
そもそも繋がるのか、繋がったとして
番号を見て私だとわかったら
とってくれないんじゃないか。
そうこうしているうちに日は経ち、
あと少しで旦那の誕生日という時期に
なりました。
前日、思い切って公衆電話から
電話をかけると旦那が出ました。
久し振りに声をきいたら
色々なものがこみ上げてきて、
何か言ったと思います。
内容はよく覚えていませんが
今でも好きな事や、
会えないかどうかは聞きました。
旦那の返事は
「あのときは電話で済ませてしまって
悪かったと反省している。本当にごめん。
でも今さら会っても〇〇(私)には
何もメリットはないけどいいか」
というもので、
私はよく意味がわかりませんでした。
そして誕生日に
久し振りに会うことになりました。
待ち合わせて食事に行きました。
駅で待っていた旦那は何も変わっておらず
私はすぐにわかりましたが、
私だと認識するまで少し間がありました。
気まずくなるだろうということは
わかっていましたが旦那が思いのほか
喋ってくれたおかげで
昔のように話ができました。
旦那の様子が違うことに気付いたのは、
喫茶店でメニューを読んでいたとき。
つい「見えにくい?」と聞いてしまいました。
また歯切れの悪い返事だったので、
聞くと旦那は
「こっち(片目)はもう使い物にならない」
のだともう見えないのだと言いました。
そのときは返す言葉が無く、
何を言えばいいのかわからず黙っていると、
続けてこう言いました。
目の違和感に気付いてはいたが
仕事が忙しくて行けなかったこと。
久しぶりに眼科を受診後、
病院での眼底検査を要されたこと。
眼圧検査の結果がわかり、
一生自分の目が抱えている問題と
向き合っていかなければならないと
わかったこと。
「自分の事で精一杯で不安定になってしまった。
迷惑や心配をかけたくなくて
あの日電話で終わらせてしまった。
許されることではないけど、悪かった」と。
私が深く聞こうとすると
別の話にもっていこうとしたので、
帰りにくだらない昔話をしながら
二人で歩き旦那の住む最寄駅へ。
何となくもう私とは
会ってくれないだろうと思いました。
だから考えていたことを全て伝えました。
そして「私が△△(旦那)を
好きになったのは目が見えていたからではない。
昔あったものをもっていないからと
いって気持ちがなくなくなるわけではない。
あなたがあの頃お金持ちで、
いま貧乏になっていたって話は同じ」
だということも。
いつになく旦那が大人しい顔を
して黙っているのがだんだん悲しくなり
いつから好きでどれだけ好きだったと
思っているのか、なにがメリットがないだ!
いい加減にして、とお子様だった私は
爆発してしまいました。
向こうは
「もっと良いやついくらでもいるのに、
バカだなあ」と悲しそうに笑っていましたが、
その日からまた旦那と会うようになり。
その9か月後に入籍しました。
10年前のことです。
以上になります。
長々とごめんなさい。