最近のことだけど、身内の葬儀があった。
自殺が失敗して、10年くらい植物状態で入院してた。
自殺する前に私のところに手紙が来た。
多分死ぬ前に誰かに死ぬ理由を知ってもらいたかったんだと思う。
私がその人の自殺を図ったと聞いたのが
その手紙が届いて二日ほどしてからだから、
手紙を出して間もなく自殺を図ったのだろうと思う。
色々な事情が重なって結婚したんだけど、
あまり幸せそうじゃなかったが、
自殺を図る1年前に会ったときは、
それなりに幸せそうに見えてた。
嫁ぎ先の事業が破たんしそうなのを、結婚相手の人とその人で、何とか立て直して
黒字転換させることができた、そう言ってた。
その人の真意はわからなかったけど、やりがいはあるようだった。
それから何度か、連絡があって、
その人の結婚相手に隠し子がいたことがわかった、
そう言ってた。
そんな時、その結婚相手の親が亡くなってわかったことだが、
その人と結婚相手で立て直した会社の
社屋と土地が、その隠し子の名義に書き換えられていた。
そのことは結婚相手も知っていたそうだ。
その人と結婚相手の間には子供がいなかった、
というか、作る暇もなかったのだと思う。
その人は、工場に泊まり込みラインの生産管理をしたり、
結婚相手のなくなった親の介護をしたりと、
正月や盆に身内で集まる時にも結婚してからは顔を出す暇もなかったから。
社員が休む時は必然的にその人が仕事を代ってるって話だった。
個人的にかなり心配してた。
他の中の良かった身内にも様子を聞いてたみたいだけど、
その人も心配してるみたいだった。
そんな時にその人が自殺を図ったと連絡が来て、
無理にでも合えばよかったと後悔してた時に
手紙が届いた。
その手紙は、今まで苦労してきたけど、
会社が少しずつ良い方向に向かうように頑張るのは
やりがいがあった。したくてした結婚ではなかったが、
会社を黒字転換させるという目標が
自分を支えてくれた。そういったようなことが書いてあったのだが、最後に、
自分が頑張った分は必ず返してもらわなければ割に合わない。
自分が稼いだ分は全部使ってあの世に行く。
そう書いてあった。
その人が自殺を図った当初、
病院はすぐに目覚めるだろうと言っていた。
でも、その人は不思議なことに目覚めず、
ずっと寝たきりで、意識は最後まで戻らなかった。
でもGW前にその人の会社が不渡りを出したと聞いて、私は、
その人が稼いだ分を全部使ったんだなと思った。
正直、私はそんなことしないで離婚してた方がよっぽど幸せだったと思うけど、
こういう生き方しかできなかったんだなと思うと可哀想に思う。