大学時代に一人旅で香川の金毘羅さんに行った事がある。
長い階段をやっと登り切ってクタクタになってた。
お参りして写真撮って、それからUターンして今度は長い階段を降りて行こうと
階段の1歩目を踏み出そうとしたとき、なんか目が回って世界がグルっと回転した。
あ、貧血だ、こんなところでヤバい、このまま下まで転げ落ちて行ったら死ぬよなぁ、と
一瞬の間に色んなことを考えていたら、
身体がグラッと回転するように傾いて土の上にドサッと倒れた。
仰向けに倒れた私の目の前には、
青い空をバックにシワシワの小さなおばあちゃんが私の顔を覗き込んでた。
おばあちゃんも階段を降りようとしたら、
目の前の女が急に立ち止まって身体が揺れたから
危ない!と思ってGパンの腰のところを掴んで引っ張ったらしいんだ。
こんな小さなおばあちゃんが・・・すごいチカラだな~って衝撃だった。
「そんなもん大したこたあない。何年米屋やってると思ってんだ」って言うんだよね。
米屋がなんの関係がwと思ったが、
10kgや20kg担いで階段上がり降りすることなんてしょっちゅうだって。
若い女の子を振り回すのなんてチョロイチョロイって言われたw
でも年を聞いたら80過ぎてるって言うし、私50kg越えてるし。
おばあちゃんは観光ツアーで来てて、
集合時間に余裕があるからって一緒に階段降りてくれて
途中で甘酒一緒に飲んで、なんとなくこのままこのおばあちゃんと
別れるのが惜しい気持ちになって
これも一期一会だしって連絡先を交換した。
以来、一人暮らしの私に時々美味しいお米を送ってくれて、
私も実家や旅先からなんやかや送ってた。
おばあちゃんちにも二度、新幹線に乗って遊びに行ったこともあった。
時々電話で話したりも。
とにかく楽しいおばあちゃんだった。
私は祖父母との交流を知らずに育ったから余計に大好きになった。
そんなおばあちゃんともたった6年でお別れたがきた。
娘さん(と言っても母ぐらいの年の人だけど)から亡くなったと
知らせがあった時はもうお葬式も終わってて
でも知らせてくれたことが嬉しくて、悲しくて、久しぶりにものすごく泣いた。
彼にフラれた時でも涙なんて出なかったのに。
GW、最後のお別れを言いにおばあちゃんちに行ってきた。1枚だけ写真貰った。
おばあちゃん、私のことを「孫がまた増えた」って言ってくれてたって聞いて、また涙が出た。