昔、友達が借金をこじらせて、
自分のアパートに転がりこんできた。
正直、邪魔だし
半年の期間で出ていく事を条件に了承した。
半年経過したときに、
昼間はサラリーマン・夜はコンビニバイトで
寝る間惜しんで働く姿は友人ながら尊敬する位だった。
半年たったが引越資金が無いので
本人は約束は守ると宛先も言わず出ていった。
その時、友達の荷物に
三十万円入れた封筒と簡単な手紙をこっそり入れておいた。
連絡は途絶え、自分は彼女が出来て引越などして
完全に疎遠になった。
彼女と結婚前提の同棲をしてた時に
友達は突然平日昼間に訪れた。
自分は仕事中で会う事ができなかった。
友達は小包を俺に渡して下さいと言って
足早に帰って行った。
小包の中には、十万の束が十束で
輪ゴムで括ってあるのが三つ。
三百万と手紙が入ってた。
手紙には、
「あの時、俺が金を包んでくれた事で助かった、
顔を見たかったが時間がないので手紙で御免。
あと約束の十倍返し」
冗談で十倍にして返してね。
まぁ、十倍返しできなかったら別にいいから元気でね。
と書いた手紙を本当に実行した。
おいおい、お前、半沢直樹かよ
あれか
三十万を抜いた残り270万円は貯金。
友達が金に困ったら貸してもっと増やしてもらおう。
元気で何よりだが、
俺はコンビニの廃棄食材と大五郎で
宴会する事ができなかったが寂しい。
連絡先位知りたかった。
結婚式も招待したかった。
借金の理由すら知らない。
ちょっと変わってる奴だったな