私は30代アラサーのドルオタで、在宅ファン
(ライブやイベントへは行かずに
CDやBlu-rayを買って楽しむ人)をしている。
だからCDやBlu-rayについてくる
イベントの応募券は、
いつもメルカリで販売していた。
メルカリってネット上で結構叩かれているけど、
毎回匿名配送を使用しているためか、
勘助と遭遇するまでは
変な人に当たったことがなかった。
勘助被害に遭ったのは私の設定ミスで、
いつも匿名配送で出品しているのに、
何故か配送方法が普通郵便になっていた。
購入してくれたのは、
今まで何回か購入してくれていた勘助だったから、
この時は
「あ、いつも丁寧な対応をしてくれる人だ。
初めての人じゃなくて良かったー」
て思っていた。
私はいつも通り、
応募券と購入ありがとうカードが
濡れないようにビニールへ入れた。
それから、公的な郵送物と見分けがつくように、
パステルイエローの可愛らしい封筒を使って
シールタイプの夏らしい切手を使って郵送した。
2~3日後に受け取ったという連絡が勘助からあり、
いつも通りお互い高評価で取引が終わった。
そんなことがあったのも忘れた約半年後、
マンションの管理会社の人から電話が入った。
「勘助さんって方ご存知ですか?」
て聞かれたけど、
既に勘助の名前を忘れていたから、
知らない人だと答えた。
すると、管理会社の人はちょっと困ったように
「実はマンション前に勘助さんという方が
いらっしゃったそうで、
私さんと知り合いだと言っているらしいんですよね」
て言われた。
そんなこと言われても、
知らない人は知らない人だし、私も
「そうなんですか?でも勘助さんって名前に
心当たりないんですよね」
て答えたら、
管理会社の人は言い難そうに
「そうですか、実はその方が今、
近所の交番に連れて行かれて、
警察の方から私さんの連絡先を
聞かれているんですよ」
て言われた。
暫くお互いデモデモダッテをした後、
私が折れて交番に電話することになった。
すると交番のお巡りさんから
「私さんから届いた手紙持っているから
知り合いのはずです!とにかく来て下さい!」
て言われて、仕方なく交番へ行ったけど、
やっぱり知らない人。
勘助も「誰?この人?」状態。
勘助が言うには
私の書いた文字(丸文字)やメッセージカード(100均)
と封筒(100均)のチョイスがどう見ても20歳前後だった。
手紙からも20歳前後の良い匂いがしていた。
私がいつもつけているメッセージ(定型文)は、
私の不器用な愛情表現だと勘助は気付いていた。
でも恥ずかしがり屋な私は、
いつも匿名配送しかしていなかったから、
勘助は無理に距離を近づけようとは思わなかったらしい。
でも今回、私が勇気を振り絞って住所を教えてきたから、
勘助は私に会いに来てやった。
恥ずかしがり屋な私は、
きっと何か理由がないと戸惑うだろうから
「同じオタ同士の交流」てことにするため、
イベント会場で買った限定グッズをお土産に持ってきた。
マンションに着くと、オートロックだった。
最初はインターホンを鳴らそうと思ったけど、
運命的な出会いを演出したかったから、
マンションを出入りする20歳前後の女性に
一晩中声を掛けていた。
そしたら翌日の昼前に、警察がやってきた。
そして今、小汚いBBAが現れた!
てことらしい。
自己擁護すると、私は30代アラサーだけど、
きちんとしていれば20代アラサーか、
調子が良ければ20代前半に見られることもある。
その日はたまたま!本当にたまたま!
小汚い格好をしていただけ。
そんな私がまさか勘助被害に遭遇して、
まさか流れ弾を食らうとは思わなかった。
私が私だと理解した時の悲しそうな勘助の姿が
未だに私の心を抉ってる。