今日は嫁の命日。  でもって、三つ子娘の10才の誕生日。

今日は嫁の命日。
でもって、三つ子娘の10才の誕生日。

幸せを残してくれてありがとう。

良かったら、話を聞いて頂きたい。

嫁と出会ったのは、中学生の時。
クラス対抗合唱祭みたいな行事で、嫁は伴奏やってたんだ。
その姿に一目惚れした俺は、猛アタック。
クラス違ったんだけど、毎日声かけて、随分と仲良くなった。
嫁はすれ違えば誰もが振り替える位の美人で、クール?っていうか
すごくかっこよくて可愛くて、
俺の成績じゃあり得ないとか言われてた高校に
頭の良い嫁目指して入って、晴れて交際開始。
その時も嫁めっちゃ優しくて、思い出せば俺
すんごい迷惑かけてたんだわ

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一度も冷める事なく楽しい高校生活を終えた俺と嫁は
それぞれ別の大学へ進学。(同じ県の)
嫁も俺も一人暮らしになったんだけど、
またこれが良い彼女すぎるんだ。
週末とかバイトとか忙しくない時いつも遊びに来てくれて、
美味しい料理作ってくれるわけよ。
俺が日曜日なのに何処にもデート連れていけなくても、
嬉しい嬉しいって他の男に目移りする事もなく
ずーっと俺の側にいてくれて。
もう大学卒業する頃には絶対プロポーズするって決めて、
指輪の格好いい出しかたとか妄想する毎日。
まぁ、俺は全然度胸がないチキンだからすぐプロポーズとかできなくて
それぞれ就職して3年も経ってからついにプロポーズ。
緊張しすぎて死ぬかと思った。

結果は、「私でよければ喜んで。幸せにしてくださいね。」
この時もう人生で一番泣いた。泣くの早いって言われたけど、
結婚式は忙しかったけど、すんごい幸せを感じた。
それから嫁は仕事やめて専業主婦になったんだけど、
またまた家事が完璧。掃除洗濯はもちろん、
俺が今日これが食べたいっていう料理がわかるんだよな。
嫁には。
俺もそんな嫁が大好きで、死ぬ気で働いて、まあまあな所まで
出世したりしてパーティーしてる時、嫁が妊娠している事がわかった。
男の子で、何か異常な事もなく俺も嫁も大喜び。
嫁がお腹を痛めて生んでくれた俺の子を抱いた時、
泣くよりめっちゃ興奮して「やったな、ありがとう!可愛い!」しか
言ってなかったと思う。嫁も笑ってた。

そんなんで教育の上手い嫁のおかげで
息子も優しい良い子に育ち、5才になったある日。
嫁が再び妊娠している事がわかる。
息子を産んでからしばらく子供を身ごもっていなかったので、
俺も嫁もまたまた大喜び。その時(妊娠報告)の会話↓
「俺くーん、ちょっとちょっと」
「何?嫁子どうした?」
「妊娠した」
「」←俺フリーズ
「嬉しい?」
「嬉しい!男かな?女かな?」
「どっちもかもね」
「え?」「え?」
「どういう意味?」
「一人じゃないよ」
「は?へ?双子?」
「ううん、三つ子」
「まじかーーーーーーーーーー!!」

こんな感じ↑でいきなり伝えられた三つ子報告。
もちろん嬉しかったんだけど、三つ子なんてリスクが高い。
経済的にもどうなのか、嫁とよーくよーく話し合い、産むと決めた。
息子には、 一度に三人のお兄ちゃんになるんだよーって話したら、
息子目を輝かせて、スキップスキップ。
俺も嫁も絶対産むぞーっと拳を挙げて、頑張った。

でも、息子と公園で遊んでいる最中、嫁は倒れた。
息子も同時にパニック起こして、救急車。
その時、息子の側にいられなかった事が一番後悔。

病院に着くと、息子が落ち着いて看護師の側で座ってて、医者が来た。
なんでも、胎盤に異常があって、このままだと嫁も赤子も危ないって。
俺はいきなり選択を迫られた。嫁優先か三つ子優先か。
もちろん嫁を選びたかった。でも、嫁が前
「私か三つ子かって言われたら三つ子っていう、格好いいお父さんになって」
って言われたの思い出して。
俺は三つ子を選んだ。

しばらくして、息子も疲れて眠ってしまった夜明け、
三つ子が産まれた。嫁は性別知ってたんだけど、俺は知らなかった。
女の子の二卵性の三つ子で、産まれてすぐ保育器に入れられた。
でも、嫁はもう二度と、目覚める事はなかった。
嫁の葬式で、
「お母さんは?お母さんは?」って嫁を探す息子を見て、
すごく泣いた。情けないよな、息子の前で。
俺の勝手な選択がなければ、息子はこんな思いをしなかったかもしれない。
三つ子は駄目だったとしても、また嫁の声も、笑顔も見れたかもしれないのに。
本当に申し訳なかった。
でも、俺はそんな息子と娘達を養わなければならない。
お母さんがいないからって、他の子と違う事をさせたくないと思い
子供達を一度実家に預けて、一心不乱に働いた。

それから3年経って、娘が3才になった。息子は8才。
その日、俺が仕事から帰ってくると久しぶりに嫁の作った料理の匂いがした。
まさかと思ってリビングに入ると、食卓には嫁がよく作ってくれた料理が
沢山並べてあって。
息子は娘と遊びながら、ニコニコしながら
俺に「おかえり、お父さん」って言ったんだ。

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俺はまた泣いた。
聞くと、嫁は料理のレシピをノートに書き残していたらしい。
そのノートを見つけた息子は、俺の母親(祖母)に相談して
教わりながら、一緒に作ったらしい。
その料理は、紛れもなく嫁の作った感じの味がして、
またまた泣けてきた。

そんな事があってから、息子は料理の楽しさにハマったらしく
仕事で帰りが遅い俺の代わりに娘達に料理を振る舞う様になった。
家事もやったりしてくれて、まるで息子が娘達の母親代わりみたいになった。

息子よ、本当に情けないお父さんでごめん。
ろくに反抗期も迎えず、いつでも妹のため、父のためと育ってきたお前には
感謝しきれない。ありがとう。ありがとう。

さて、今日で10を迎える娘達だが…。
三人とも、性格の良い嫁によく似た美人にそだってくれた。

結局だらだらと書いて締まりがきかない中途半端な俺だけど…

生憎今日はこの雪。ケーキ屋さんに出掛けて
綺麗に飾りつけられた華やかなケーキは買ってあげられない。

でも、俺からの精一杯の愛情を込めたケーキなら、
いくらでも作る。いくらでも出す。
こんなお父さんでごめん。

こうして自己満足にどんどん書いているわけだが、
今どんどん嫁との思い出が溢れてくる。
笑ってる嫁、泣いてる嫁、怒ってる嫁。

それから、嫁が残していってくれた宝物達。
一生大切にしていくから、空で見守っててくれ。

変な話でごめん。見てくれた方ありがとう。
是非是非こんな情けない俺を中傷してください。

以上。娘達が風呂から上がったから、
誕生日パーティー開始だ!

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