嫁が流産した
妊娠が分かった時は初の事、
本人は本当に嬉しそうで、
毎日母子手帳を読んだり、日記を書いたり、
飽きる事無く妊娠出産に関するサイトを見てた
名前なんて、男女共に50パターンくらい考えて実際に書いてた
妊娠10週の先日、僅かに出血するもんで病院に行った
正常でも出血するのは少量ならば珍しくないと聞いていたので、
念のためだね、って感じで、深刻には考えてなかった
病院に付いて行ったのね、待合室で待ってたら、
診察を終えて嫁が扉を開けて出てきた
扉から姿を見せた瞬間、雑誌から目を上げた俺と目が合ったんだけど、
表情は笑みを含むような、いつもの明るい嫁だった
…だったんだが、診察室の扉から俺が座ってる椅子までの6メートルくらい、
ほんの10歩くらいを歩いてくる間、嫁の顔がみるみる変化していった
俺の元にたどり着いた時には真っ赤で大泣き
まるで一時間は泣き続けていたかのような、
目は腫れ、頬はびしょびしょの表情
流産自体は凄く悲しかった
でも、嫁のあの表情の急激な変化の過程は多分生涯忘れない
男の俺が感じる感覚とは次元の違う、女性ならではの悲しみというのを肌で感じた
来週、お互いに有給取って手術してくる
嫁にとって悲しみのピークはその日なのかもしれないけど、
俺も頑張ってフォローする