バブル崩壊時に親父が俺の前で
電車に轢かれて死のうとした人を助けたことがある。
俺は小学校で遅くまで遊んで帰る途中、
親父は仕事が終わって
買い物のお使いでスーパーへいく途中。
線路を挟んで向かい合った状態で遮断機が降りてきた。
親父は何かの書類を読んでいて
こっちに気づいていなかったけど俺は気づいていた。
驚かせようとwktkしてた時に
男の人が遮断機潜って線路に頭からスライディングして
うつ伏せになった。
電車はまだ遠かったけど
後数十秒もあれば男の人を轢くって状況だった。
周りの大人は悲鳴あげてたけど
親父が素早く遮断機潜って男性を蹴りあげて立たせて
ギリギリで線路から押し出した。
そして俺の目の前で
マウンティングポジションからの怒涛の往復ビンタ。
痛いから生きてんだよ馬鹿野郎!と罵った後に
俺に気づいて人混みをかき分けて逃走しました。
もう呆然状態。
親父は全く声を荒らげないし
手を出すことは俺がとても悪いことをした時ぐらい。
その親父が人を殴ったってことが
人を助けたってことより衝撃だった。
今思えば親父は相手が命を粗末にしたことが
許せなかったんだと思うけどね。
家に帰ってもお互いに
その日のことは一切話さなかったし今も話してない。
母は近所の人から旦那が人助けしたって話を聞いて
親父に顛末を聞いてたけど、
頑として親父はその話をしなかった。
いつかあの時の気持を親父に聞いてみたい。