携帯が普及し始める直前の頃
免許を取って半年
日の出を見に行こう!と山へと出かけた
日本の屋根と呼ばれる険しい所だ
地元は寒くないし天気も良いので気楽に出かけたのだ
だが山は違った
山は想像以上に寒くて、道路がガンガンに凍っている
かなり危ない状況になって初めてヤバイと気付いた
そのときは既に手遅れで、スリップして坂を上れない
それどころか車が滑って「ずずず」と落ちていく
道路の回りにガードレールなしで、
なにもしないと確実に崖から落ちて●ぬ
急いで車から降りて、
友人たちと一緒に車を必死で押さえた
靴が氷で滑って、本当に死を覚悟した
回りに人家などなし 携帯なし 助けを呼べない
朝4時で、通行する車まったくなし
(そもそも行き止まりの山道)
車を押さえ続けていると、どんどん腕が疲れてくる
辺りが少し明るくなった
もう車を捨てるか・・・・となったとき奇跡は起きた
道路の斜面が緩い場所があって、そこで車が止まった
車を押さえる力はかなり減った
そして2時間ほど頑張っていた
突然、一筋の光が!パジェロが通りかかった
(実際にはパジェロじゃないが便宜上パジェロと書く)
うぉおおお助かったぁぁぁぁぁぁ
と思ったのもつかの間で、
パジェロは私達の車のそばでスピードを落としたが
そのまま通り過ぎていった
パジェロの運転手は、
俺達を上から下までちらっと見てフンという感じだった
オウム事件の後で不審者に見えたのかも知れないな
私達の希望が絶望に変わった
でもきっと助けを呼んでくれたに違いない、
と期待して待ち続けた
それから5時間 助けは来なかった
太陽が昇り、氷が溶けたので自力で帰宅できた
この時に得た教訓は山をなめるな