私は実家に戻り、両親の紹介する方と結婚することになると思います 私はあなたのことが好きでした

新卒で入社した会社で
人事部の3つ上の女性を好きになった
会社の駐車場で彼女が乗っていた車種が
自分の車といろちがいで車の話をしたのが
はじまりだった

ある頃に、とある先輩に好意を寄せられて
困っているという相談を受けた

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相談にのっているうちに、
帰り道を一緒に帰るようになった
数か月後、引継ぎが終わり次第今の会社から
去るつもりだと彼女は言った
理由は詳しくは教えてはくれなかった
彼女が仕事をやめてからも最後の寂しそうな顔が忘れられずに、
何度か電話をかけた
食事にも行った
昔の会社の仲間ではなく一人の女性として
彼女をみている自分に気づいた頃
来月、家業を手伝うために実家に帰りますと告げられた

翌月に駅で見送ったときまた会えるかと彼女に尋ねた
僕はあなたが好きだと言おうとしたとき
気づいていたかのようにそれ以上言わなくても
大丈夫ですと言われた
そして、彼女は続けて言った
私は実家に戻り、両親の紹介する方と結婚することに
なると思います

私はあなたのことが好きでした
もうお会いすることはないと思いますが
あなたの夢も叶うように応援しています
私も頑張ります、あなたも頑張ってください

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赤い目をしながら笑う彼女を前にして
お元気でと言うのが精いっぱいだった
あっけなく終わったのに、しばらく彼女のことばかり考えていた
つらくなり番号も消した
友人から紹介された女性とも付き合った
その女性からあなたは本当は私の事が好きではない、
何を考えているかわからないと

振られてから何か月か経ったあと
仕事のストレスで寝酒がかかせなくなった日が続いたある夜
昔好きだった例の彼女(家業を手伝うために実家に帰った)の夢を
何度もみるようになった

迷った末に記憶をたよりに電話をかけた
親から紹介されていた男性に婚約を破棄されたことを知った
今でも好きだということ、
もし会うことができるなら会いたいと言った
彼女はそれは出来ないと言い
会えば辛くなってしまうことや、
父の死後に店を畳んだが借金が残りビルを売り払ったこと
入院している母のためにも二人で新たな地で暮らしていくと
決めていると言った

2年後の人事異動で新店舗に勤務していた頃、
交通事故で入院している部下の
見舞いに行った病院で、受付に並んでいる一人の女性が
吃驚した顔でこちらをみてきた

それが彼女だった
その数日後に彼女の母は息を引き取ってしまった

彼女に、気持ちの整理がついてもし会っていただけるなら
連絡をくださいと言った
私はあなたに想ってもらえるほどの人間ではありません
といった彼女にそんなことはないと言った
会うようになってから2年後に役所に婚姻届を二人で出しに行った

っていうのが俺の父のなれそめ

今でも2、3ヶ月に1度足ももうおぼつかないのに墓参りしてる
俺の母親のね

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