私はもうすぐ55歳になるのだけど、
まだ子供の頃の刷り込みというか洗脳みたいなものが
残っていた。
私の母はいわゆる毒母で絶対にどんな事があっても
自分が正しいと言い張る人だった。
幼い私にはいつもいつも
「自分はなんて駄目な人間なんだろう」
と思わせようとしていた。
だから、どんなに頑張っても
「さらに上の人がいるからつけあがるな」
どんなにつらい事が有っても
「世の中にはもっと不幸な人がいるから、
辛いと言ってはいけない」
と言われ
「お前はプライドが高すぎる」
と罵倒されてきた。
私は結婚し、子供を産んで親の立場になってみて、
自分の親がおかしいと気が付いた。
遅まきながらも、
当時の母の理不尽さを訴えて
「あんたみたいな恥ずかしい親にはならない」
と母にとって最も屈辱的な言葉で断罪し、
母の事は切り捨てたつもりでいた。
それでもなんとなく生きているのが辛くて、
死にたくなったり精神科に通院していた。
卒業した学校がキリスト教の学校だったので、
キリスト教の教えにも接した経験から、
宗教に救いを求めたかったけれど、
「神様は私たちを愛している。」
とは信じられなかった。
私がイメージする神様とは
「私が少しでも傲慢だと罰を与える」
「世の中には苦しんでいる人がたくさんいるのだから、
自分はまだ恵まれている・今の状況に幸せを見つけろ」
と言う存在だった。
私がうかつにも神様の怒りをかったら、
あっという間に滅ぼされる、
神様とは私の生殺与奪の権を持つ恐ろしい存在としか
思えなかったのです。