付き合った彼の家に初めて行った日に「この部屋にさ、俺に必要だなー と思う物があったら揃えといてよ。」

当方女、相手は男です。
付き合った人が、
なぜか期待いっぱいだったことがある。

初めて部屋に行った日、1DKの狭い部屋で、
部屋を見回しながら衝撃的な事を言われた。

男「この部屋にさ、俺に必要だなー
と思う物があったら揃えといてよ。

あと俺、仕事が終わったら
毎日ビール飲むからさ、6缶パックのやつ?
切らさないように毎週冷蔵庫に入れといてくれよ。

あっそうだ、まだ鍵は早いかなー、
とりあえず鍵をポストに入れておくからさ

俺が会社に行ってる間に
掃除とか料理しといていいから、
お前、料理作るの好きだろ?

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冷蔵庫にさ、お前の手料理を入れといてよ、
朝とか夜に食うから。

冷凍庫にもいろいろ入るから
ここはレンジでチンすればいい奴作っといて。
俺、料理にはうるさいからな、
お前だからって甘くはしないぞ。

あとお前が普段使ってる
ルクルーゼとかあるじゃん?
ああいうお洒落な鍋とか
お前の好きに置いていいから

ダチが部屋に来た時とかさ
「あれ何?」って聞かれたら
「あああれ?彼女が料理作る人だからさー」
って言ったら自慢できるじゃん。

あっ、そうだ!金だ!忘れてた!
俺に使って欲しかったら
テーブルの上にさりげなく置いてっていいから

部屋のデッドスペースは
お前に全部任せるから、
好きにして整理していいよ。

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あとはー、そうだなー、
何してもらおうっかなー?」
と感無量の表情。

両手を広げ、遠くを見るような喜々とした顔で
声高に捲し立てる姿が
まるでミュージカルのワンシーンみたいで、
今にも歌い踊りだしそうな雰囲気に、
本気で舞台でも見ているようだった。

男は演技の経験なんか
ゼロのはずだったんだけどね。

ついでに、料理の材料は全て私の自腹、
彼の部屋まで電車とバスを乗り継いで
3時間はかかるし彼は社会人で、
私は普段の日は大学があるし
バイトでカツカツだったので
何を考えてるんだかわからず、
二度と連絡を取りませんでした。

本当、氷点下まで冷え切りました。

最初は何かの冗談かと思ったし、
ああいうセリフのある舞台があるのかな?
とも一瞬よぎったのですが、
長い長いセリフを言い切った後の
満たされたような表情と

小さい声で「これでやっと人生が始まるよー」
とポツリと呟いたのにゾッとしました。

その後、男が親友だと言う人と
話をしたのですが、その人は
男を親友とは思っておらず「1度話しただけ」

更に、あれだけ豪語していた友人達も、
パーティー仲間も、信頼できる先輩も
人懐っこい後輩も実在しませんでした。

今思うと、空想が趣味と言っていたので、
空想上の『愛される俺』がしてもらっている事を
全てしてもらって自分が愛されている事を
示して欲しかったのかな?と思います。

これからも期待のハードルを下げずに、
常に上を目指して一人でいて欲しいです。

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