こんな人として男として最低なおれの側にいて。 どうしてそんなに幸せそうなんだ

うちの嫁さんはすげぇ、大した女だよ。
出会ったその日に誘ったデートを二つ返事でOKし、
そのデートでした告白も受け入れた。
アホなの?

同棲前、おれが酷い風邪をひいたときには
仕事を早く切り上げ家まで看病しに来た。
遠いのによくできるよ。

趣味でしてたバンドのライヴを観に来て、
おれのヘッタクソなベースを聴いて
ソロのところで感極まって泣いてたらしい。
身内ウケも甚だしいわ。

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おれが鬱患ってニートになったときなんか、
疲弊、堕落しきったおれを一切せめず、
生活を支えるために本業のほかに
工事現場なんかのバイトを始めた。
さっさと捨ててくれよ。

結婚したときなんか役所に届け出をしただけで
式も披露宴も何もしてないのに
これでもかってくらい幸せそうな顔で笑ってた。
アホ面で。

やっと見つけたバイトで
客と大喧嘩して店の機材壊して、
店長にしめられてぼろきれになったおれを
タクシーで拾い一緒に店まで行って頭を下げた。
お前はお母さんか。

おれが身勝手に裏切りを繰り返して、
嫁にマンネリを感じた時期があった。
どう考えてもおれが悪いのに裏切りのことはせめず、
おれと向き合った。
カウンセラーですか?

ほんとにあんたはなんなんだ。
こんな人として男として最低なおれの側にいて。
どうしてそんなに幸せそうなんだ。

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「好きだから」?
うるせぇよ、こっぱずかしい。
恥ずかしいからおれは、違う言い方で表現するぞ。

「君の飯は世界で一番うまい!!」
「街には女なんて腐るほどいる。
一緒にいたい、と思える女は君だけだ。」

あぁ、わかってる、くそだなおれは。
しんじまいたいよ、君の腕の中で。

おれに真面目に生きることの面白さ、
人と過ごすことのツラさや喜びを教えてくれた嫁さん、
あんたはすげぇよ。

あんたのおかけで好き勝手な生き方を卒業し、
全うに働く道に進めた。

まだまだ駆け出しで収入も少ないけど、
今に見てろよ。
今よりも広い部屋、子供、幸せな家庭。
全部手に入れようぜ。

せいぜいしぬまで付き合ってくれよ、
おれの嫁さん。愛してるぜ。

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