「工事します。うるさくなってすいません」旦那「何それ、話聞かないかんの!?」

先々週、ポストに工事の案内が入ってた。

道路の拡張とか側溝の整備とかするらしい。
一部夜工事があって、
裏面の地図見たらウチのすぐそばの範囲。
あちゃー眠れるかなでも仕方ないか、と思って
夕食時に家族に工事の事と案内書の話をした。
みんな、ふーんそっか程度のリアクション。

うちは夫、私、息子(高1)、娘(中二)
この辺りは市内でもかなり昔に分譲された土地で、
昔ながらの広めの敷地に大きな家が集まる住宅街。
でも元々住んでた人たちの高齢化が進み、
次第に空き家が増え、といってこんな広い土地は
費用もかかるし買い手も付きにくい。

そこで敷地を2,3分割して
それぞれに1戸建を建てて売る、という手法が取られ、
ほとんどの空き家が1件当たり2,3件になって
新しい住人が入ってきた。

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うちもその一つ。
うちの隣はまだ昔ながらの家屋(以下A宅)で、
老夫婦とその娘孫が4人で暮らしている。
旦那さんは数年前に病没されて実家に戻ってきた。

A母と私が歳が近く、
娘同士が同級生ですぐ仲良くなり、
A祖父母も良い方で、
以来家族ぐるみでお付き合いさせてもらってる。

で、先週。
うちの娘はA宅でA子と勉強してたらしいんだけど、
忘れ物に気付いて一旦自室に戻った。
で、取るもの取って部屋から出ようとした所で
チャイムが鳴った。
当時在宅してた夫が
インターホンで対応したらしいんだけど、
その物腰が酷かったららしい。

「は!?」
という夫の第一声に驚いた娘は、
息をころし気配を隠し階段を降りて様子を伺う事にした。

「何それ、話聞かないかんの!?」
『いえ、お忙しいのでしたら…』
「どんくらいかかるの!?」
『あ、いえ、説明はすぐ済みますが…』
「はぁ~~!!(溜息)」

相手の発言に被せるように怒声を放つ夫に、
果たしてどんな来訪者か興味を持った娘は、
夫が外に出た後にリビングに回り、
窓を少し開けカーテンの隙間から外の様子を伺った。

来訪者は作業着を着ており、工事の人みたいだった。
そういえば工事の案内が入っていたけど、
それ関係かな?と思い、実際そうだった。

「で!?なに!?」
『この度は工事で云々』
「は!?工事!?」
『先週頃に案内をお配りさせて頂いておったのですが』

「で!?」
『○○様(うち)にはご迷惑おかけ致します、
また夜の作業もありお騒がせする事と…』
「ほんとだよ!そーは言ったって結局工事はするんだろ!?」
『はい、誠に申し訳ございません』
「で、いつすんの!?」
『はい、まずはあそこをどーとかこーとか』

「あっそ、はいはいわかった。終わり?」
『恐れ入りますが、良ければこちらに
私が伺ったという事でサインを頂けますか』
「は、いらんだろそんなの!」
『申し訳ありません、市に提出せねばならないので…
いえ、こちらでチェック入れとくので、大丈夫です。
お手数おかけしました』

『工事期間中はご迷惑おかけしますが、安全に…』
と挨拶する工事の人を無視してさっさと自宅に戻る夫。
工事の人はすぐ頭を下げ、
ドアが閉まる音がしても暫く頭を下げたまま、
そして頭を上げて首の後ろを少し撫でて
次の訪問先に向かっていった。

娘は大層ショックを受けたと言っていた。
父の粗暴な対応もそうだが、
工事の人が心底参ったなぁといった感じが
焼き付いて離れないと。
更に加えて先々週、やはりA宅にお邪魔していた娘は
その時A宅に訪れた工事の人に
A家の人が丁寧な対応をしたのを見ており、
その落差に驚き失望した。

リビングを過ぎ、
そのまま奥の自室に引っ込もうとした夫の背後に
「最低。信じられない」と一言だけ言って
娘はそのままA宅に逃避。
仕事で17時過ぎに帰宅した私に、
「今日はA宅に泊まる」と娘からメールがあった。

それまでも頻繁にお泊りさせて貰っていたが
余りに急すぎるので、
お詫びと娘に急には駄目だと言おうとA宅に伺った。
するとA母と祖母から娘の様子がおかしいと聞かされ、
今日の所はうちで預かる、
それとなく聞いておくから
そっとしてあげた方がいいだろう、と仰って頂き、
恐縮ではあるがお言葉に甘える事にした。
それで、その夜に上記の娘視点の経緯が発覚した。

その日はもう遅かったので翌朝夫に事の次第を確認し、
とにかく一度話をした方が良いと娘に電話するが、
当然娘は拒否。
貴方の言い分を伝えるだけでもいいいから、
と言っても拒否。
それを見ていた息子が、
俺が行ってくるとA宅に向かい、
30分程で娘と共に帰宅した。

話し合いと言っても、
娘が夫の所業を責め立てて、逆ぎれした夫が家出。
行先は恐らく同市内の実家だろうと思い、
義母(超絶良い人)に連絡。

義母は涙声で
「急に来たと思ったら暫くこっちいにるなんて言うから。
本当にごめんなさい、
私としても追い出したい所だけど、
娘ちゃんが嫌だろうから暫くウチで預かります。
本当にごめんなさい」
と謝られてしまった。
なんだかもう情けなさ過ぎて言葉も出なかった。

で、結局今日まで家出してたんだが、
先ほど夫から電話があり、何とも消沈した声で
今回の謝罪と明日みんなに謝る機会が欲しいと言ってきた。
その上で、私や娘の意向がどんな事であっても従うから、と。

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息子と娘に確認し、娘は嫌々ながらも了承し、
明日夫が帰宅してから再度話し合いの場を設けることに。

電話口では随分と反省してたようだけど、
果たして明日どうなるやら。
今週はどっと疲れたけど、
最後にまたとんでもないのがきた。

明日も気が重い。区切りがつくと思って頑張るけど。

もーやだ
いい歳してなにしてんだよ夫よ
この1週間でみんなほとほと愛想尽きたよ…

これでも娘はこの年頃の割には父親好きではあったんですが、
だからかえってショックも大きかったようで。

私がAさんからの連絡を待ってた間、
どうもその間に息子は息子で
A祖母から事情は聞いていたようで、
娘ともメールしていたようです。
なので1回目の話し合いの時も連れ戻せたみたいで。

「アイツ(娘)は
基本的に急な事はするのもされるのも嫌がる。
もう一つ、何かしら問題があると一旦間を置きたがる。
だからわかりやすかった」

「お前ももう中二なんだから
イヤだキライだでは話が進まない事くらいはわかるだろ、
親父にどうしたいのかどうしてほしいのかはあるんやろ。
それは口にしないと誰にも伝わらないし実現しないぞ。
俺もかーちゃんも味方だから」
と言って連れ戻したらしいです。

私が出遅れたのを謝り、フォローにお礼を言うと
「あの時点ではかーちゃんも
親父側か分らんかっただろうからこれで良かったと思うよ。
むしろ親父の方どうにかお願いするわ」
と逆に言われてしまった。

そうだねあのアホは私がどうにかしないとね

実は、結婚前付き合っていた頃に
そういう様子がちらほら見えていたんです。
最初は愛想が悪いかな、
という位だったように思うのですが、
付き合いが長くなるにつれ
店員さんへの態度もだんだんはっきりとしてきて
何度かそれで喧嘩になりました。

その内容も、
本人はそんなつもりはない!言いがかりだ!
から始まって私が細かく当時の夫の様子を実況すると
次第にモゴモゴしだし、
最終的には今後気を付ける、で
暫く大人しくなるのですがまた徐々に…と。

結婚を機に改善し、少なくとも私の前で
そういった態度をとる事はなくなっていたのですが、
何らかの理由でタガが外れたのかもしれません。
あるいは、信じたくないですが
結婚後も私たちの前以外では変わってなかったのかも。

明日10時頃には帰宅すると言っておりました。
娘も、息子の言葉があったからこそ、
話し合いの席に再度着く事を承諾してくれました。

とにかく明日、心中を全て話してもらおうと思ってます。
眠いのに眠れないわ…

夫の急な連絡ですっぽ抜けてたけど、
今日の夕方頃、家の近くを工事の人がおられたんで
取り急ぎ私だけお詫びしてきました。
まだ直接話が出来てない住民がいるみたいで
回っていたそうです。

一応娘にも窓から顔だけ確認してもらい、
ご本人にもお話しした所、
工事の挨拶回りは自分一人でしてる事、
先週ウチにも訪れた事からご当人とわかり、
夫の無礼をお詫びしました。

最初は何の事かさっぱり分らないご様子でしたが、
夫の態度を謝っていると気付かれると
「ああ、そういう事でしたか。とんでもございません。
幾ら公共工事でも実際に住んでおられる方には
ご迷惑なのは事実ですし、旦那様のお気持ちもわかります。
むしろ直接応対頂けただけ有難いくらいです。
どうぞお気になさらないで下さい」
とニコニコと応じて頂いて、
涙が浮かんでくるくらい申し訳なかったし
夫が恥ずかしかったです。

この方だって内心はどうあれ、
立場上、私に対しこう言うしかないんですし。

そして工事の人の風貌を見て確信しましたが、
やはり夫の昔の悪癖が出たのは間違いないです。
代理人らしいのですが、
実年齢は分りませんが見た目が若く
顔も優しげな、好青年といっていい顔でした。
これが屈強な体格で強面だったら
夫はあそこまで横柄な態度はとらなかったでしょう。
結婚前も相手で使い分けていましたから。

もう本当にみっともないやら情けないやら…
怒りとか憎しみとかそういう感情すら湧き上がりません。

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