あの時スープに入っている虫を見つけなければ

近所のレストランで食事をしていたら、
スープにかなりアレな見た目の虫が入っていた
幸いまだ口をつけていなかったので、
店員を呼んで小さい声で虫が入っていた旨を
伝えて下げてもらった
あちらからは新しいスープと、
頼んでないデザートとドリンクが出てきた
食事後に店長から丁寧な謝罪があり、
食事代はいらないと固辞されたうえに商品券を包まれた
そこまでしてもらわなくとも・・・と断ったが、
どうしてもと言われて、じゃあまた食事に来ますねと言って受け取った

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そのやりとりをドア越しに見ていたらしい近所の奥さんが、
あの人(私)はレストランに特別対応されるような人と
触れ回ってくれたらしく、噂に尾びれがついて、
レストランのオーナーの愛人ということにまでなってた
タダ飯よこせと言う人から、黙っててやるから
金よこせと言うやつまで現れて、挙句警察沙汰になった
噂の出所になった奥さんに謝罪を求めても「たかが噂」
と相手にしなかったので名誉毀損で訴えてやった

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噂を広めただけじゃなくて、奥さん自身も
「もしかしてあの対応の理由って・・・」
と根も葉もないことを言ってた証拠があったし
2年近くかかったけど完全勝訴して、
微々たるもんだけど慰謝料をぶんどった
近所には裁判前に「こういう事情で
お騒がせしておりますが申し訳ございません」
と菓子折り持って根回ししてたので
最初は鼻息が荒かった奥さんも今ではすっかり意気消沈してる
本当は引越したいらしいが、こちらの引越し代を
払ったせいで引越せないらしく逆恨みしてるとかなんとか

こちらは別の土地に行けば心機一転スタートできるが、
気の毒なのはレストランのオーナー
自分の嫁に不倫を疑われて暴力を振るわれて怪我をした上に、
お店を開いたときの借金があり転居もままならない
こちらと同様に裁判で例の奥さんを訴えて勝訴したものの、
結局閉店して離婚までしたと聞いた
詮無いことだけど、自分があの時虫を見つけなければ・・・とモヤモヤする

自己紹介の法則は当てはまらない気がするなぁ
自分の家族が大好きで旦那さんとも
よく一緒にいるのを見かけてたし
裁判のあとその大好きな旦那さんに
離婚調停起こされたらしくて、めちゃくちゃ逆恨みされたよ
引越したのは身の危険を覚えたからっていうのもあるんだよねぇ
あれは怖かったわ

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