高校生の時春休みで
部活で登校するために電車のホームにいた。
十時過ぎていたからそこそこ空いていて、
電車待ちの列の前に妊婦さんがいた。
何気にお腹大きい人なんだなぁって見ていたら
突然前の人がすがりついてきた。
「す・み・ま・せ・ん きゅう……」
と途切れ途切れに言いながら座り込んでしまった。
座った下をみるとなんだが濡れている。
女子高生なんてなんにも出来なくて
妊婦さんの手を握るしか出来なかった。
後ろにいた年配の女性が
「破水よ。誰か救急車と駅員呼んで!」
と叫んだら大学生らしい男の人が階段上がって
改札まで飛んで行った。
駅員さんが毛布持って飛んできて
救急車呼びましたからって言ったけど
年配の女性が
「だめ!頭が出てる動かせない。」
と言ったけど吹きっ晒しのホームじゃ
しょうがなく救急隊員が来て連れて行った。
年配の女性があんた学校休みでしょ。
ついておいでと言うので、
産まれて始めて救急車に乗ったんだけど
平日の昼間なのに受け入れ先がない。
救急隊員が一生懸命電話しているんだけど
断られてばかりでびっくり。
そのうちだんだん頭が出て来ちゃって
「いきんじゃだめ!」
と年配の女性が言うんだけどだめで
やっと受け入れ先が見つかって向かっている
間に産まれてしまった。
初めてみたリアル出産シーンで私はパニックでがくがく。
結局母子ともに無事でよかったし、
妊婦さんから頼まれて連絡して駆けつけた
身内の人にもすごく感謝されたけど
私は付いてきただけでなんもしてなかった。
しきっていた年配の女性と一緒に
遠い病院からバスと電車乗り継いで帰って来て
わざわざ家まで来て
親に遅くなった理由を説明してくれた。
今でもそのおばちゃんと交友があります。
今は自分が結婚して遠くなったので
たまにメールと年賀状を交換してます。
しかし大阪のおばちゃんは親切だよね。
親が転勤族で結構日本中回ったけど
大阪のおばちゃんは最高だったよ。
文中のおばちゃんがしゃべてる言葉は、
本当はこてこての河内弁です。
私では再生できないので標準語にしてあります。
誰か翻訳お願いできたらお願いします。