夫がはじめてかけてくれた言葉が 「生きてるね。よかったね。」だった

結婚して1年たった頃、夫婦の意見が一致して、
子供を作る事にした。

若い頃から生理痛も重かったし、
もしかしたら不妊症かもしれないと最初から不安があったけど、
まずは一年基礎体温をはかって自己流でチャレンジしてみた。

その一年間の間に、一度だけ妊娠検査薬が陽性になった事があったけど、
数日後に生理が来た。

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一年がたっても妊娠しなかったので、
家の近所にある婦人科へ検査に行ってみた。

そこでは特に問題はみつからず、排卵日を見てもらったり、卵子がきれいに育つ薬をもらったりの治療をしていた。

そして、1度目の妊娠をした。

しかし、お腹の中にある小さな胎児の姿は見れたけど、
心拍の確認はとれずに流産となった。

婦人科の先生や看護師さんに励まされ、
もう一度頑張ろうと思い通院し、2度目の妊娠。

しかし、次もまた胎児の姿は見れたけど、
そのまま流産となってしまった。

ここで婦人科の先生から、
不妊症の専門病院に行った方がいいとのアドバイスを受けて、
転院する事になった。

転院先の病院で過去の流産の話をしたら、
検査薬で陽性が出ただけの最初のも1度の妊娠とカウントする事。

そうすると過去3度の流産をしている事になる事。

不育症の可能性も考えながら検査をし、
治療方針を決める事になった。

まず、基本的な検査をしたら、子宮内に無数のポリープがみつかった。

先生には、このポリープが原因で受精卵が着床する場所が
なかったと思うから、ポリープをとって子宮の中を整えたら
流産しなくなると思うと言われ、
ポリープを切除する手術を受け、
術後の子宮の状態が安定してから再チャレンジする事になった。

先生からOKをもらい、チャレンジしてみると、なんとすぐに妊娠した。

先生も私もあまりにもあっけなくて驚いた。

その後初めて胎児の心拍が確認された。

先生からポリープもないからしっかり着床しただろうし、
心拍が見れたからたぶん大丈夫だと言われ、目の前がパァっと明るくなった。

これで赤ちゃんを産めると思い、
夫婦でお祝いをして喜んだ。

しかし、その次の診察の時、
赤ちゃんの心拍は止まっていた。

目の前がまっくらになり、
どうやって帰ったかも覚えてない程ショックだった。

原因をとりのぞいたのに流産してしまい、
もう一度チャレンジする勇気を持てなかった。

半年ほど休んだ後、夫から
もう一度やってみようと言われ、また病院に行ってみた。

先生からは、本格的に不育症の原因を調べようという話になり、
まずは不育症の検査を受けてみた。

しかし一般的な不育症の検査では原因がみつからなかった。

もう一度チャレンジしてみる事を先生からもすすめられ、
チャレンジすると、またすぐに妊娠した。

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でも喜べなかった。

不安しかなかった。

原因不明の不育症の人がよく飲む薬を飲んでみた。

でも、結局流産だった。

もう諦めようと思った。

先生は不妊症の専門だけど、
不育症の専門ではないので、色々調べてくれて、
まだやってない検査がある事がわかり、その検査を受けてみた。

そこで、不育症の原因がみつかった。

私にも夫にも原因はなく相性の問題だという事がわかった。

しかしこの原因には100%ではないけれど
効果がある治療法がある事もわかった。

そして再チャレンジ。

またすぐに妊娠した。

妊娠4週と妊娠6週に注射を打った。

この注射は抗がん剤らしく腕がパンパンに腫れた。

心拍が確認されても喜べなかった。

しかし、妊娠は順調にすすんだ。

出産施設のない不妊症の専門病院だったので、
出産する病院へ紹介状をもらって転院した。

妊娠中は毎日不安だった。

胎動が感じられるようになって、
少し安心できるようになったけど、
それでも出産するまで毎日不安だった。

出産は大変だった。

でも、自分から生きている子供が生まれてくるという実感が持てずに、
最後までずっと不安だった。

子供が生まれ、泣き声を聞いた時、
涙があふれた。

夫がはじめてかけてくれた言葉が

「生きてるね。よかったね。」

だった。

私には見せなかったけど、
夫も同じ不安を味わっていたのだと知り、涙が出た。

その時産まれた息子は、
現在ワンパクに成長している。

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