借金して返せなくなった結果→「提携している会社で働いてもらうよ」

俺のスペック
よく街にいるロック風のおっさん(27)
177cm
筋肉質
大卒(地方公立)
当時の借金1280万
現在の仕事 トラック乗り学生時代バンドやってたんだよね。
始めは軽音でゆるくやってたんだけど、
音楽を作る楽しさに目覚めてスタジオの掲示板で
メンバー集めて本腰入れてやり始めた。
これが三回生のとき。

しかしバンドというのは金がかかる。
経験者は知ってるかもしれないけど、
一回の練習のスタジオ代が8000円くらい。
それを四人で割り勘だから2000円くらい。
更にライブをするとなるとノルマが大体40000円くらい。
当然アマチュアのライブなんか誰も来ないから全額自分らで払う。
だから一回1万円くらい。

楽器が15万くらい。
エフェクターという音質を変化させる機材が一個1万~4万くらい。
その他弦、ピック、ケーブル等の細々したものも馬鹿にならない。

そんな訳でお金がちょくちょく足りなくなった。
学生だからバイト出来る時間も限られてたし、
そんなに収入はないのにがんがん出ていく。

その度友人に借りたり、消費者金融で借りたりしていたんだけど、
いよいよ友人たちの間で
「あいつはお金を返さない奴だ」という印象が付いて、
誰も貸してくれなくなったし、友人には借りなくなった。
本当友人間でお金の貸し借りはダメですわ。友人じゃなくなっちゃう。
今は貸してくれたやつ全員に返したけど、物凄い後悔してる。

それで主に消費者金融で借りる様になったんだけど、
足りないものを借りているものだから、
翌月も当然足りなくなる。遅れて返済しては借り、
借りては遅れて返済して、の繰り返しで
どんどんお金の概念がおかしくなっていった。
あるとき思いついた。
「ちょっとずつ借りては返し借りては返しするんじゃなくて、
いっぱい借りちゃおう」

 

因果なことに、頻繁に借りていたから、
100万まで借りることが出来る様になっていた。
だから100万借りた。
そして、これで暫くは借りなくても大丈夫だし、
金に困ることもないな、等と考えた。

本当にお金というものがよく分からなくなっていたんだと思う。
それを借りるということがどういうことかも。

 

もう自制心がどこか壊れてたから、お金があると使っちゃう。
手始めに28万のレスポールスタンダードを買った。
当時メロコア全盛だったからレスポールは憧れだった。
他の機材もちょこちょこ買って、
それで結局40万くらい使った。頭おかしい。スタジオ代とかも、手元にお金があると気が大きくなっちゃって、
「良いよ良いよ、今日金あるし」
とか言って他のメンバーがお金無いときに多めに出したりした。

100万円を使い切るのにそれほど時間はかからなかった。
三ヶ月くらいかな?
当時の借りてたところは自由返済システムで、
期限までだったら少しずつ返していける仕組みになってた。
その期限が借りた日から五ヶ月後。
勿論利息はどんどん付いていくんだけど。100万借りたときは「一ヶ月二十万ならなんとかなるだろ」
みたいな軽い考えだったけど、
バイトで一ヶ月二十万稼ぐのは大変。というか無理。
それで、当然の如く期限に間に合わなかった。

電話がかかってきた
「○○さん、ご融資の件で電話差し上げたんですが~、
ご返済の期限が今日までとなっておりますが、
こちらいかがでしょうか?」優しそうな女性の声だった。「えっと、すいません、どうしても都合がつかなくて、
間に合いそうにないんですが…」
「然様でございますか~、それでしたら期限を延ばすことも可能なのです。
しかし利息が更にかかってしまいますがよろしいでしょうか~」
「はい、大丈夫です、申し訳ありません」
そんなこんなで期限を一ヶ月延ばしてもらった。

この時点で30万は返済していたが、残りはまだ。
しかも元手に利息が付いて、利息が年15%だったので五ヶ月で約7%
つまり77万はまだ返せていなかった。
一ヶ月で77万なんて到底無理だった。
無理だったけど、期日は来る。
とりあえず必要の無い機材等は全部売り払った。
それで5万くらいにはなった。
期日の一日前、このとき残りの返済金額65万円。
一日で65万など無理だ。どうしよう。
あれこれ考えた。考えながらふらふらしていると、
電信柱の下の方に小さな張り紙があった。「○○ローン 初めての方でも100万まで融資可能 電話xxx-xxx-xxxx」
葛藤はあった。ヤバい会社なのは間違いない。
でも、65万円を返さないことにはどうにもならない。
ここで借りて返済期限を延ばして貰い、ゆっくり返せば良いんだ。
電話番号をメモに残し、帰って、その会社に電話をかけた。

「はい~有限会社○○ローンですが」
意外にも感じの良い男性の声だった。省略

返済に当てる費用65万、
当面の生活費5万で70万を貸してもらえた。
金利に関する詳しい説明が無かったんだけど、
そのことに気付く余裕がなかった。
ちなみに返済期限は四ヶ月にしてもらった。

四ヶ月はあっという間だった。
多めに借りた五万もバンド活動に消え、
またお金の足りない日々が続いていた。
当然期日までに返せなかった。このとき四回生の夏。
○○ローンから電話がかかってきた。「○○さんでしょうか~、ご融資の件で…」

消費者金融のときと同じような口調だった。
これなら同じ様に頼み込んで、なんとか期限を延ばして貰えるはずだ。
そう思った。でも違った。「申し訳ございません、実は…」

最後まで言い終わらない内
「もしかして返せないの?そういうの困るんだわ~。
こっちも商売でやってからさ。とりあえず会社まで来て貰える?」あれ?ヤバいことになったんじゃね?
そう思った。その通りだった。

事務所についた貸してもらったときと同じ男性が応対してくれた。
割と真面目そうな、しかしジェルで髪を撫で付けていて
少しチャラそうな、男性。
一つ違うのは終始無表情だったこと。
あんなに感じが良かったのに。

「電話でも言ったんだけど、困るんだよ、返して貰わないと」
「申し訳ないです…」
「申し訳ないですじゃないよ。どうすんの?」
「いえ…」
「あのね、今君の借金の額これだからね?」

言って男性は電卓を叩いた。そして差し出した。
金額を見て言葉を失った。
約160万だった。

会話はしっかりは覚えていないので大体の感じで書きます。「え…70万借りたはずじゃ…」
「うちはトイチでやってっから。十日で一割の利子付けてんだわ」
「え…」
「えじゃないよ。これ返してね?君が借りたんだから」
「あの…これって」
「何?」
「ちょっとあまりにも…高いというか」
「いやいや、うちで借りたんでしょ?これはうちで決まってることだから」

結局返せる訳もなく支払い期限を延ばして貰った。
ちなみにもう一度契約書を書かされ、
この日から利子は160に対してかかるように。

それからは消費者金融の比じゃない勢いで利息が付き
繰り返していく内に、その会社で600万、もう一つの会社で400万
更にもう一つの会社で200万、消費者金融に80万合計1280万の借金が出来た。
期限遅れる度に、その時点での借金に対して利息が付くようになるから、
本当にあっという間に増えた。
この時点で四回生も終わる頃。
幸いにも卒論は通り、単位も足りていたので学校の方は問題なかった。

1280万になるまでには
何故か200万以上は十日で三割の利息になったり、
もう一社など始めから十日で三割、しかも借り入れ金額に対してではなく、
利息の付いた金額に対してまた利息がかかるなど色々あったが、
書くと長いので省略。とりあえずあっという間に1280万になった。
期日。もう行くところまで行った感があって
涙でぐしゃぐしゃになりながら○○ローンに行った。
泣きじゃくって謝りまくった。でもジェルの男性は無表情。
一度返済が遅れてからは徹底的にいつも無表情。
鬼かと思った。悪いのは自分なんだけど。「○○君さ、敢えて聞かなかったけど他んとこでも借りてるでしょ?」
「…はい」
「因みにどこよ」
「いや…」
「良いから言えよ」
「○○ファイナンスと、○○融資と、消費者金融の○○です」
「あー、やっぱなー。良いわ。○○ファイナンスと○○融資知ってるから、
うちで返してやっから。後○○も」
「え?」
「そしたらうちにだけ返せば良いんだから楽っしょ?ね?そうしよ」

「はい…お願いします」
もうどうにでもなれって感じだったんだな。
もう一社にまとまるならその方が楽やし、みたいな。「よっしゃ、じゃあ決まりね。明日また来て」
消費者金融のカード渡して、その日は帰った。

翌日「お、来たね。でさ、悪いんだけど1280万超えたらうちトゴだから」
「え、トゴってなんですか?」
「十日で五割だから。利息」
言葉を失った。始めからそれ狙いだったんだ。そう思った。
「え…それは…じょうd」
「本当、本当。十日で五割だから」
「え…」

十日で五割ということは十日で640万ずつ増えて行くということだから、
もう返すのは不可能なわけだ。
一ヶ月で1920万稼がないと返せないね。

「それじゃ…もう無理じゃないですか…」
「いやー、そんなことないよ?○○君が大金持ちになるかもしれないし?」
「そんな…」
「でも一つだけ利子付けないで良い方法あるけど?」
「なんですか?」
「うちと提携している会社で働いて貰う」ヤバい仕事なのは予想がつくが、どの方面にヤバいのか。
それによっても判断を迷うところだ。

そう考えた。でもすぐにそんなことを考えている場合ではなく、
そうしなければ22歳にして
自己破産するしかないということに気がついた。
「はい、働きます」
就職も決まってなかったし、(フリーターやりながらバンドやろうと思ってた)
どんな仕事であれ、やるしかないと思った。
丁度授業も終わって残すは卒業式だけだったし。
で、働くことになった。「一週間後に用意整えてまた来て。
働いてくれるんだったらもう利子増やさないから」

卒業式には出られるのか?
用意を整えるということは住み込みなのか?

など色々疑問はあったが、訊ける雰囲気じゃなかったし、
訊いても教えてくれなさそうだった。
無表情の男性、後でまた出てくるから名前付けるか。
「無表情」で良いか。
始めに保険証と免許のコピー取られて、
大学と学部学科も書かされた。
「保険証のコピーあるからね」
「君の大学知ってるんだからね」
は何度も言われた。
一週間後
○○ローンに出向くと、無表情がビルの前に立っていた。
「ああ、今日は中入る必要ないから。ちゃんと準備整えてきた」
「はい、一応、一週間分の着替えと洗面用具は持ってきましたけど」
「ははっ、まあ良いや。乗って」
何故笑われたのか分からなかったが、分からなくて当然だった。
あんな場所があるなんて考えてもいなかったわけだから。
車は安っぽい黒の乗用車だったけど、
何故か後部座席にはスモークが貼ってあった。
だから景色はフロントガラスからしか見えなかったけど、
東京出身の自分は、大学の周りくらいしか知らなかった為、
自分が全く知らない場所を走っていることだけは分かった。坂を上り、下り、旧道らしき細い道を通り、山に入り、
最後に獣道の様な道を抜けたところで車は止まった。

「降りて」無表情が言った。
降りると、推定築40年は立っているであろう
四つの家(というか小屋)が立つ、こじんまりとした敷地だった。
同時に家の方からいかにも肉体労働者風の男が出てきて、
「ああ、無表情さん、どうも」と言った。
無表情も「どうも」と言った。
俺も肉体労働者風の男にお辞儀をした。肉
「この子っすか」


「ええ、そうなんですよ」


「わっかいね~。何君、お金いっぱい借りちゃったんだ?
あっはっはっは」


「ああ、はい…すいません」


「じゃ、頼みますわ。○○くん。
この人が詳しく説明してくれるから。じゃ、元気でね」


「はぁ」

この肉体労働者も頻繁に出てくるので名前を付けよう。
角煮に似ていたので、「角煮」

無表情があたかももう二度と合わない様な挨拶をしたのが気にかかったが、
とりあえず今はそんなことを気にしている場合ではない。
俺は今日からここで働く。頑張って働いて借金を返すのだ。俺は張り切った。
昨日までの、借金に塗れた自分は立った今ここで死んだのだ。
そのようなことを思った。

頭おかしいとおもうんだけど、返せるとおもってたんだなあ…
1280万もの借金が。馬鹿だなあ。
「おーいこっち来てくれる?」
角煮に呼ばれた。角煮は非常に感じの良いおっちゃんだった。案内されたのは家の内、一番奥まったところに立つ一件。
中に入ると、黴と汗と食べ物の匂いを混ぜて、
薄くした様な、酷い匂いがした。

「はいちょっと説明すっから。こっち来て」

角煮はエレクターから書類を一枚持ってきて、
俺に座る様に促した。座ると床は軋んだ。「これ見てくれる?」

見ると工事計画書の様だった。トンネルの補修工事の様だった。
「まず最初はこれからね。これあげるから読んどいて。
明日から仕事だから今日は適当にやってて良いよ。
あとここ君の部屋だから。あと六人いるけど」
よく分からなかった。
突然謎の家に連れてこられて、明日からトンネル工事
しかも黴臭い小屋に七人で暮らすだと?
よく分からないじゃないですか。「えっと、あの…ここは休憩所ですか?」
「きゅーうけーいじょ??ばーか言ってんなよwww
ここに住むんだろうがwwwww」
「え?」
「君お金いっぱい借りちゃったんでしょ?それを返すんでしょ?
だからここで暮らしながら働いて貰うわけ」
「え?暮らす?」
「そうだよ?まあ結構入るよ。月20万くらいかな?
だからまあ、十年くらい?もっとかな?そんくらい働けば良いんじゃん?
俺ちょっと頭わりぃから分かんねえわ。自分で計算して」

唖然とした。

つまり角煮はこう言うのだ。
ここで次々入る現場の仕事をこなし、その収入を借金の返済に充てる。
完済までは働いて貰う。それまではここで暮らす。
よく分からないっすね。「えっと、すいません…僕よく話を聞かないで来てしまって、
そんなに長い間いたら家とか…」
「あーなに親御さん?いるの?とうちゃんかあちゃん。
だーいたいそんなのどうでも良くなっちゃってる奴しか来ねえからなあ…」
「いや…」
「まー大丈夫じゃねwwww大丈夫!!頑張って働くのは良いことだ!」

角煮はこういう感じの人だった。
よく分からない、困ることを明るく伝えてくるのだ。

その日の夜。
何やら家の外ががやがやしたかと思うと扉が開き、
汚れた男たちが入って来た。
どうやらこの人たちが同居人らしい。
こいつらは一様に肉体労働者風で個性が無いから名前は付けない。「あれ?なんですか?今日からっすか?」
「はい…よろしくお願いします」
「はーいよろしくお願いします。ってか若くね?」
「22です」
「はあ?なんで借金しちゃったの?」
「ちょっとバンドやってて…」
「バンド?ばっかだねー。ま、頑張ってよ。よろしく」

妙に馴れ馴れしい、身体の大きい野郎だった。
こいつは結構出てくるから名前を付けよう。
ハンマーを人間にしたような感じだから「ハンマー」

ハンマーが言った。
「あ、なんか食う?」
「あ…はい」
そういえば来てから何も食べていないのだった。

「色々あるけど」
言ってハンマーは台所の方を指差した。
言ってなかったけど家の構造は、12帖くらいの部屋が一つ、
四帖くらいの台所が一つ、トイレが一つだった。台所に行った。
カップラーメンや、ペットボトル飲料があった。
「あ、お金はどうすれば…」
「あー、天引きだから。食ったらそこの表に名前ね」

流し台の脇にカップラーメン、ペットボトル、スナック、ビール、煙草、
等品目の記載された、マジックで乱暴に作られた表があって、
そこに名前を書き入れられる様になっていた。
俺はカップラーメンとお茶を一つ取り、表に名前を書き入れた。

その後は部屋の人たちとラーメンを食いながら雑談した。
9時になると「はい、消灯」
ハンマーが言った。どうやらハンマーがこの部屋では中心的な人物らしい。
やけに早い就寝だなと思ったが、
朝から現場の仕事があるのだろう。寝ることにした。
しかし、黴臭い汚れた毛布一枚が渡されたのみで
他には何も寝具が無いので身体が痛くて泣きそうになった。

泣きそうになりながら色々考えた。これからどうなるのか。
何故借金などという馬鹿なことをしたのか。両親は心配するだろうか。
本当に10年も帰れないのだろうか。
考えても何も分かるはずはないのに、考えた。泣いた。

翌日、五時に起床の声がかかった。
各々台所から適当に飯を取り、食べて、すぐに出発した。
そういえば昨夜、風呂に入っていない。こいつら気持ち悪くないのか?六時になると外に集合して、ミニバン三台に乗り込んだ。
外で集合したときに気付いたけど、
七人も入っているのは俺の入っている小屋だけで、
他の三件は一人ずつだった。

ミニバンの中での奴らは様々だった。
寝ている奴も入れば、煙草を吸っている奴もいた。
しゃべってる奴も入れば、外を眺めているやつもいた。
しかし、共通した一つの特徴があった。
新聞を読んでいるやつはいない。携帯をいじっているやつもいない。
まあ、当時、今程は携帯でニュース見たりしなかったけどな。考えて思った。この人たち、もしかしたら
携帯が一般的じゃないくらい前から入ってるのかもしれない
まさかな、とも思ったけど。

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つまりは外界から遮断されてしまっているんじゃないか。
小屋と現場の往復のみの生活を送っているんじゃないか。
そう考えた。その通りだった。
俺が携帯の時計を確認したときだった。

「あれ?お前携帯なんか持ってんの?ちょっと見せて見せて」
「え…あ、良いですけど」
「へー、今若い奴って皆結構持ってんの?」
「まあ…持ってない人も少しはいますけど、大体持ってますかね」
「へー、まあ良いんだけどさ、一応後で角煮さんに言っておいて」
「はい」
なんだか府に落ちないが、とりあえず了承しておいた。三十分程度走っただろうか。ミニバンは止まった。

ぞろぞろと降りる皆。
そういえば、寝起きで頭がよく働いていなかった為気にしていなかったが、
俺の乗っていたバンには七人が乗っていたのに対し、
一台は一人、もう一台は二人しか乗っていない。
これはどういうことか? 俺たちが狭い思いをしているというのに。角煮「おはようございます!」
「ごはようございます…」

威勢が無さすぎて引いた。そして威勢の無さに対して何も言わない角煮。
「じゃ、今日からここの補修だから。どんどん指示出してくからよろしく」
「よろあーっす…」俺の紹介も何も無かった。普通何かしら無いか?
そう思ったが、まあ気にしないことにした。

角煮「はい君あそこ行って」
俺「え、どこですか?」
角煮「だからそこだって言ってんだろうが!一回で分かれよ、ったく」角煮は現場に入るなり別人のようになった。
異常に明るい割に表情はどことなく人を蔑んでいる様なところが
見受けられたのだがまさかこれほどとは…
俺は早々に泣きそうになった。
しかし泣いている場合ではない。俺は借金を返すのだ。

とりあえず指された方へ行った。すると

角煮「だーからそこじゃなくてそっちのパイプが積み上げてある方だよ!
頭おかしいんじゃねえのかこの野郎!」

確かにパイプが積み上げてあったにはあったのだが、
貴様先ほどそこは指してなかっただろこのクソ
よっぽど言いそうになったが言ったらどうなってしまうか分からない。
あんなに怖いやつだったなんて。角煮の野郎…しかし俺は頑張った。
「はい!!申し訳ありません!!」
もう腹をくくるしかないのだ。借金を返すには真面目に働くしかないのだ。

俺は、「自分は、トンネルを補修する為だけに生まれて来たので
他の余計なことを考えると死ぬ」という設定でその日一日頑張った。

「よし、今日、終わり!」という角煮の合図で一日目が終わった。
ぐったり疲れていた。
これから仮に、十年もこの様な生活が続いたとしたら
どうなってしまうのだろう。しかし、昨日まで肉体労働などしたことがなかったのだから、
(引っ越しなんかの軽い肉体労働ならバイトで沢山したけど)
数日すれば慣れるはずだ。そう思った。
しかし問題はそれだけでは無かった。

その日の晩のことである
俺は昨日と同じ様にカップラーメンを一つと、
腹が減ったのでパンを一つ取り、表に名前を記載した。
そして床に座って食べ始めた。何気なく、
「これってあれですか?角煮さんが買ってくるんですか?」
と隣にいた男に聞いてみた。「あーそうだよ。ったくふざけてるよな。これで800円だぜ?」
またも唖然とした
「え?800円ですか?」
「そーだよ。俺ら外出らんねーからさー。角煮さんが買ってくるわけよ。
でもこれ一個800円。なんかガソリン代とか言って」
「え?じゃあ毎日三食食べたら一日に相当使うことにならないですか?」
「そーだよ。あと昼に出た弁当あんだろ?あれも800円だから」
「……」

信じられない話だった。角煮はガソリン代などと言って
カップラーメンに800円もの値段を付けていたのだ。
これでは最低でも2400円かける30日72000円もの食費がかかるのであり、
それにお茶や、時には今日の様にパンなども食べるだろう。
20万から引いたら10万と少ししか残らず、
これではいつまで絶っても借金を返せない。頑張れない。
このとき、1280万という額の大きさに改めて気付いた。

そういえば携帯のことを言うのを忘れていた。
俺は思い出した。しかしここで機転が働いた。
「こんなカップラーメンに800円などという非常識な値段を付ける男に
携帯のことを話したら確実に没収される。これは隠し持っておこう」閃いて、電源を切って持って来た鞄の底に忍ばせていると、朝の男が
「あ。お前携帯のこと言ったの?角煮さんに」
「あ、あの、言いました。なんか自分で持っておけってことだったんで」
「へー、そうなの。ふーん、あっそ」

少し同様を悟られた気もしたが、ひとまず没収されないで済んだ。
その日も前日と同様、9時になるとハンマーが消灯の合図をした。
それから同じ日々が一ヶ月続いた。
同じと言ってもその間に色々なことがあったし、考えたのだけど。
例えば、飲みかけのお茶を置いてトイレに行き、
戻ってくるとお茶が飲み干されていたり、
食べかけのカップラーメンを置いてトイレに行き、
戻ってくると鼻くその様なものが入っていたり、
持って来たシャツが紛失したり。親は連絡が付かなくて心配していないだろうか、
とか(そんなに連絡していた訳でもないけど、たまには電話してたので)

で、一ヶ月と一日目
一ヶ月の間きつい肉体労働に従事し、
ろくな栄養を取っていないため、俺の身体はずいぶんと細くなっていた。細いのに腕と肩にだけ筋肉が付き、
腹には微妙に脂肪の層がある意味不明な体型になっていた。
これは最もよく使われる筋肉のみが発達し、
その他には栄養が回っておらず、
内蔵にはカップラーメンの油分によって脂肪が付いたものと思われる。

そんな自分の身体を悲しく思いながらカップラーメンを食べていると、
角煮が小屋に入ってきた

角煮「はい給料ね~、はい○○、はい○○…」
「あーっす」
「どもーっす」
「あっす」
各々適当に挨拶をして給料を受け取る。
封筒を受け取った。重い。重いのは小銭が多いから。
出して確認してみると、1万円と890円だった。
(この金額をよく覚えてる。全部800円は百円玉だった。)俺は初め言葉を失ったが、
おそらく○○ローンへの返済は角煮さんがしてくれたのだろうと思った。
多分、食費が9万くらいで、
10万は返してくれたのかな?その残りがこれだな、などと。
しかし違った。違うということが分かった。

「あーまたこんなかよ」
「え、どうしたんですか?」
「こんなじゃいつまで経っても帰れねー」

封筒の中に明細が入っていることが分かった。
そこには驚くべきことが書いてあった。

カップラーメンxxx円
パンxxx円
飲料xxx円
など飲食費の詳細に続き、
宿泊費
光熱費
という項目があって、

宿泊料が六万円、光熱費が三万円弱だった。

黴屋敷に住むのに一日2000円もの賃料を払っているのであり、
更にはカップラーメンに入れる湯、
一週に二度のシャワー、それだけしか使っていないライフラインに
何故か三万円もの光熱費を払っているのであった。つまりは渡された10890円のみが給料なわけであり、
これではもう返す返さないの問題では無い。
角煮さんはここから我々を出す気は無いし、
無表情さんもそれを分かっていて預けたのだ。
だからひと月前、あんな、今生の別れの様なことを言って去って行ったのだ。
絶望した。頑張って借金を返そうという気持ちが無くなった。
返せない。帰れない。

翌日から俺は無気力になった。どうでも良くなった。
どうせもう借金は返せないし、帰れない。
いつかこの黴臭い小屋で過労死して誰にも知られず適当な山に埋められる。
そんな未来を思った。それが現実になり兼ねない状況に置かれているのに、
別にどうでも良くなった。
男たちに全く威勢が無い理由も分かった。もう皆諦めているのだ。
元の世界に帰ることは出来ないと知っているのだ。
二ヶ月目の半ば、トンネルの補修が終わり、次の現場に移った。
次の仕事は、獣道の様な道の舗装工事だった。
新たに旧国道から国道へ抜ける道を作るのだとか。
角煮は「今回は長いことかかるぞー。張り切って行けよー」
のようなことを言っていたが、
そのときは何だか何を言っているのか分からなかった。
実質月一万少々の給料で何を頑張れというのか。
その日の夜、角煮が部屋に入って来た。
「恒例の奴でーす」か何か言って茶封筒を数個取り出した。
「はい買う人ーいる人ー」「……あーどーすっかなー」
「…んー」

皆悩んでいるようだった。何なのだろう?俺は思い切って聞いてみた。
この頃になるともうどうでも良いと思っていたので
信じんらしさゼロのだらしない話し方になっていたと思う
「それ何すか?」
「え?分かんだろ。冷たいやつ」
「はい?」
「だから、良いやつだよ」

「良いやつ」という言葉で何故かピンと来た。白いお粉だ。
本当にヤバいところに来たということを実感した。
どうやら、現場が変わった日にこれを角煮が売りにくる
ということが恒例になっているらしかった。俺は借金を積み重ねた後に黴の小屋に入れられ、
自分には自制心が無いということを重々承知していたので、
絶対に手を出さないとその瞬間に決意した。
お薬だということが分かった瞬間に。
男たちのどこか無気力な雰囲気のもう一つの原因はこれだったのだ。

結局三人が名乗り出た。
三人は角煮から封筒を受け取ると、角煮と共に小屋の外に出て行った。
四人が出て行った後も
「うわー…買っときゃ良かったかな…」
「でも赤字んなるしなー」
「あー次回はやっかな」
などと話している残りの男たちを見て、分かった。
全員シャブ中じゃねえか。入る前からそうだったのか、それとも入ってからそうなったのか。
どちらでも良いことだが、俺だけが唯一の手を出していない人間だった。
角煮もハンマーも、他の小屋にいる現場でしか
顔を合わせない二人の男も恐らく、皆シャブ中だ。

俺が気力を失ってから早半月であったが、そのことがきっかけになり、
ここにいて訳の分からない労働を続けているのは
非常にまずいと気がついた。そして別のやる気が芽生えた。
意志薄弱で巨額の借金を作ってしまった自分のことである。このままここにいれば、この「まずい」という想いも次第に薄れ、
きっとこの男たちと同じく、薬の魅力に取り付かれて
文句を良いながらもここで訳の分からない生活を死ぬまで続けることになる。
そう思った。逃げようと思った。

逃げるならいつが良いのだろう。
一番良いのはやはり深夜から朝にかけてだろうか。
しかし万一見張りなどいて捕まってしまった場合、どうなるか分からない。そもそも、帰って来てから朝出るまでの間、
小屋を出たことさえ、そういえば無いのであった。
慎重に考えなくてはならない。
俺は翌日から、普通に働くフリをしつつ、
皆の意識が散漫になっているときを探った。

それから数日、働きながら皆の様子を観察した結果、
あることが分かった。一番逃げやすいのは、現場で働いているときだ。小屋にいるときは他の男たちの目があるし、夜は外に出ると怪しまれる。
実際、誰一人外に出ようとしない。
夜中、明け方に抜け出せる可能性は未知数だが、
見張りがいるときのことを考えてやめておいた方が無難だ。

しかし、現場で働いているときは、
皆それぞれの持ち場に集中しているし、
用を足しに少し離れた仮設トイレに行くこともある。
つまり、逃げようとしていても逃げようとしているようには見えない。

そのことに気付いた翌日の夜。
俺は久しぶりに携帯の電源を入れた。でも付かなかった。当然だ。
「これ充電しても大丈夫っすかね?」
「あーまあ大丈夫じゃねえ?コンセント使う奴初めて見たけど。
まあどうせ三万もとられっし使っちまえよ」
「そっすね」
満タンまで充電した。俺の鞄を誰も漁ったりしなかったのは不思議だった。
食べ物とか飲み物は結構前述のようなことがあったんだけどね。その翌日の現場仕事の途中
俺は被っていたヘルメット(これがでっかい箱に入ってて
毎回違うやつに当たる上、洗わないので臭い)
を置いて、「ちょっとトイレ行きまーす」と言った。

角煮は「あ?何でヘルメット脱いでんの?被って行けよ。ほら」
のようなことを言ったが
俺は「すいません、なんか物凄く頭が痛くて…
トイレ行くときだけお願いしゃっす」
みたいなことを言ってトイレの方へ向かった。
角煮は「ざけんなよ?!さっさと行ってこいよ
糞野郎(かくず野郎か忘れた)が!!」と怒鳴った

俺はトイレのところまで行き、
決心を決めるとある程度のところまでは音を立てない走り方で、
それ以降は思い切り走った。
勿論携帯電話は持っている。

幸い誰も気付いていないようだった。
現場は耐えず轟音が鳴っているし、人が一人走る音なんて聞こえない。
時間が経てば角煮が追いかけてくるだろうから、
なるべく遠くまでにげなければいけない。
心臓をドキドキさせながら暫く森林の中を走ると、
何となく気配が変わった気がした。
小屋の立っている場所は異常な山奥だったが、
現場は意外と民家まで歩けないこともないのかもしれない。
そう思った。
しばらく進んだ。
携帯で誰かに連絡を取るよりもまず、現場からは離れ、
捕まる可能性を少しでも下げないといけない。
そう思った。
息が上がって苦しさを覚えながらも、とにかく走った。現場の旧道と国道は山の斜面に、
袂に向かって平行に走ってる感じだっんだけど、
その真ん中を袂に向かって逃げていた形だと思う。
現場が上の方だったから。

あの状況で逃げるとなれば下るに決まってるから、
気付かれれば捕まる可能性があると思った。
だからとにかく走り続けた。体力が物凄く落ちているのを実感した。
一ヶ月半も肉体労働やってたのに。

で、走りに走った末、森林の隙間から市街地が見えて、
あ、と思った。少し安堵を覚えて立ち止まった。
「あ、これは戻れる。とりあえず帰ったら○○ローン…ではなく、
弁護士事務所に行って債務整理か?それとも警察か?
しかし労働自体は違法か微妙なところだし…しかしシャブやってたし…」などとかんがえている内に右後方、国道のある方からエンジン音。
どうやら車らしい。
車らしいのは良いが、それが一般人の車か、
追いかけて来た角煮の車かによって随分音の意味は違う。

森林の隙間から見るに、それは角煮のバンであるようだった。
俺から距離にして100m前後のところで止まった。
中から三人の人影が出て来て、
それが誰だかは分からなかったが、三人は散り散りになって走り始めた。
興奮しすぎていて、よく覚えていないが、
何やら怒号のようなものも聞こえていた気がする。俺は考えた。
「三人いるとなれば見つかった時点で捕まったも同然だし
見つかるのはやばいよおおおおおあ!
じゃあバンで逃げれば良いんじゃね?
うはwwwww皆降りたっぽいしwwww」

興奮を表現している

一人がこちら、二人がそれぞれ別方向へ向かって走っていることが分かったのは
一人の足音がこちらに向かって近づいてくる来たから。
もうどちらへ向かって逃げたところで見つかるのは確実だ。
穴を掘って地面に隠れることも考えたが
よく考えたら時間がかかりすぎるので無理。そんなことを考えるくらいに興奮していたということだ。
俺は覚悟を決めた。
もうここで捕まったらどうなるか分からないし、
見つかったらそいつと戦ってバンに乗り、麓まで逃げる。
これしか無い。

足音の主がハンマーであることが分かった。
俺が黴の部屋で初めて話した男ハンマー。
始めの男であり終わりの男であるハンマーだ。俺も小さい方ではないが、ハンマーは俺より5cm弱大きかったので
少し怖かったが、人間追いつめられると異常な力を発揮出来るものだな。
ハンマーは20mくらいの距離まで来たときに俺を発見して
こちらに一直線に進んで来たが、
ハンマーが俺に手を延ばした瞬間、
自分でも驚くべき力でその手を払いのけ、更に足払いをかけた。

ハンマーは「うふぅお」みたいな情けない声を上げて倒れ込んだ。
すぐさまバンに向かって一直線に走り始めた。

しかし走っている途中である問題に気がつく。
皆も指摘してくれているが、鍵の問題である。
俺の頭の中では、
バン=走る=麓まで一気に逃げられる=オッケー、だったわけだが、
通常、車というものには鍵が付いており、
それがないことには走れないのだ。しかし、もう、これから走って麓まで逃げるのは無理だし、
一か八かにかけるしか無いのだ。
もしこれでバンに鍵がかかっていたらもう捕まって殺されるか、
堪え難い拷問によって足を失くされる、
目を失くされるなど二度と脱走出来ない身体にされるだろうし
人生終わりで良いや、と思いながらとにかく走った。
ハンマーも追いかけて来た。バンに着いた。
ハンマーももうすぐそこ。30m弱。。

鍵が

開いてました。
本当俺も馬鹿だと思うけど角煮も馬鹿だった。
多分、脱走されたことによって焦りが大きくなりすぎていて、
とにかく追うことしか考えて無かったんだと思う。
開いた。入れた。急いでドアを閉めた。ロックもかけた。
ほんの少しの間を置いてハンマーも車に到着。しかし俺は焦りと興奮を覚えながらもロックを抜かり無くかけていたので、
ハンマーはドアを開けられない。

俺はガンガンとドアを叩きながら大声で何かを行っているハンマーを見て、
実に清々しい気持ちになった。
1280万円も借金があるのに。1280万円。
上場企業の部長だってそんなに貰えない。
到底返せない借金。返すことを諦めて自己破産するレベルの借金。それでも、1280万円の借金を返そうと思った。
車の中から喚くハンマーを見ているとき。
逃げて、債務整理をする。それで返すべき額が減るのか、
そのままなのか、はたまた増えるのか、分からないが、
借金は返す。返したらもう借金はしない。そう心に誓った。

俺はエンジンをかけて走り去る前に、何かしらハンマーに言ってやろうと思った。
お前、狂ってんな。この、シャブ中野郎。金槌みたいな顔しやがってクソが。
色々とハンマーに対する侮蔑の言葉が浮かんだ。そして言った。
これを言ったときのハンマーの顔は忘れられない。
俺はエンジンをかけ、パワーウィンドウをほんの数センチ開けた。
数センチの隙間からハンマーの怒号が直接飛び込んでくる。俺は言った
「一生シャブやってろ、金槌みてぇな顔しやがって」
(この言葉は一字一句よく記憶している)
ハンマーは一瞬動きを止めて物凄く悲しそうな顔をしたが、
またガンガンやり出した。
俺はパワーウィンドウを閉めて麓へ向かって走った。

麓へ付き、暫く車を走らせ、
市街地の入り口へ差し掛かったところにあるコインパーキングへ車を止めた。
流石に市街地まで逃げてくれば追いかけてくることも無いと思い、
車はそのパーキングに放置した。鍵を挿したまま。そしてまず、実家に電話をかけた。
親は特に心配していなかったが、
先月電話をかけたのにどうして出なかったんだと言われた。

俺は「話さないといけないことがあるから、明日帰る」と言った。
母は「改まってどうしたの?何か決心でもついたの?」
みたいなことを言っていた。
その日は角煮から無表情に連絡が行き、
俺のアパートに押し掛けてくることは必至だったので、
その山の麓の街の最寄りから電車で二駅離れた
知らない街のマクドナルドで夜を明かした。
念の為、交番が近くにあるマックを選んだ。
結局その日は何も起きなかった。
誰からも連絡は来なかった。翌日、始発で実家に帰った。貰った10890円を電車賃に充てた。
少しだけ余った。余談ではあるが、鞄と着替え、
洗面用具は蛸部屋に置いて来てしまった。

午後三時頃実家に到着する。
そこで洗いざらい話した。
親父にはボコボコに殴られた。母親には号泣された。
しかし、俺の親父は結構冷静な方なので

「法外な利息がついてるから、おそらく債務整理で大幅に下がるはずだ」
と提案してくれた。
翌日、朝一番で親父と共に法律事務所に行き、
債務整理の相談をした。
弁護士が言うには闇金融での借入はそもそも法的に無効なので、
利息分は疎か、借り入れた金額も払う必要は無い
とのことだったが、それは「法的に」の話であり、
実際に元々借り入れた金額は返さないと付きまとわれるなど
面倒なことになりかねないので、
それだけは一応返した方が良いとのことだった。一先ず闇金に返す金は○○ローン70万円、
○○ファイナンス50万円、○○金融40万円の合計160万円となった。

それで弁護士の人に

「肩代わりするなどと言って
消費者金融に返済する約束をしませんでした?無表情さんは」
と言われたので
「消費者金融の○○に80万返したって言ってました」
と言ったら
「それは今すぐ確認した方が良いです」
と言われたので○○に電話して、名をつげ、担当者に変わってもらったところ、
少し憤ったような声色で
「返済の方どのような状態でしょうか~?」と
言われて、 ○○ローンの無表情は適当言って○○には
返済してくれていなかったことが発覚した。で、結局80万に二ヶ月弱の利息がついて、83,4万の借金が残った状態だった。
これ、もし何十年も入ってやっと出て来たときに発覚してたらどうなってたんだろう。

で、返すのは260万円と少しになった。
弁護士に払う費用は軽減された1080万の10%で108万合計368万円、弁護士さんにはすぐ払わなきゃいけないし、
金融機関に借りたままだと
また返すまでの間に利息が付いてしまうということで、
親父が肩代わりしてくれた。
アパートはすぐに引き払った。

あまりに申し訳ないと思ったので、
バンドでフリーターコースはやめ、適当なベンチャーを受けて無事合格、
約4年かけて親父に完済した。
4年の間にかつてお金を何度か借りた友人らに謝って周り、
一人一人に借りたままになっていたお金を返した。

元々意志薄弱な癖に頑張りすぎたのか、
完済して少しすると鬱気味になり退職。
しかしお金が無い、という状態に恐怖を感じる様になったので、
大型免許を取得し、トラックの運転手になった。
そして今日に至る。

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