うちは貧乏な母子家庭で俺が生まれた時はカメラなんてなかった

うちは貧乏な母子家庭で、
俺が生まれた時はカメラなんてなかった
だから写真の変わりに母さんが
色鉛筆で俺の絵を描いて、アルバムにしてた
絵は上手じゃない

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ただ、どうにかして形に残したかったらしい
ほぼ毎日、赤ん坊の俺を一生懸命描いてた

絵の隣に

『キゲンが悪いのかな??』

とか

『すやすや眠ってます』

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ってコメント付きで
小学四年生の時、家に遊びに来た友達数人に、
そのアルバムを発見された

めちゃくちゃ笑われて、貧乏を馬鹿にされた
友達が帰って直ぐ、俺はアルバム三冊を
バラバラに破いてゴミ箱に捨てた

パートから帰って来た母さんがそれを見つけて、
泣きだした

破いた理由を言っても、変わらず泣き続けた
翌朝起きると、居間で母さんがゴミ箱から
絵の破片を集めてセロハンテープでとめてた

「恥ずかしい思いさせてごめんね。
でもね、これ、母さんの宝物なんよ」

申し訳なさそうに優しくそう言われると、
涙が溢れ、俺はごめんなさいと謝った

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