実家の母は10代の頃に母親を亡くしてる。
鹿児島で生まれ育った母だったが、高卒で就職して
東京に出てきたあと父親も亡くなって、
あまり仲の良くない兄(伯父)しかいないので
地元には一切帰省していない。
なので私も母方の親戚との付き合いは一切なかった
私が結婚した時、結納式のあと婚約者の自宅に
食事に招待された。
彼母(現在の義母)が料理が趣味な人で、
沢山ご馳走を作ってたんだが、最後の〆に出され
た「鶏飯」を食べてる時に母が突然涙を
ポロポロこぼした。
その時に初めて知ったんだけど、
彼母も元々鹿児島の出身だった。
その鹿児島の郷土料理の鶏飯。
(鶏肉の入った炊き込みご飯とは違う)
彼母オロオロ。私も父もオロオロ。
「どうしたの?」
って聞いたら
「・・・かあちゃんの味がする・・・」
って。
母親がよくこれを作ってくれたのを
思い出したんだって。
そこから芋蔓式に母親のことを思い出して
しまったんだとか。
私は親のことをずっと
「お父ちゃん・お母ちゃん」呼びしてたので、
“かあちゃん”って言った母の姿が子供みたいに
とても可愛く見えて、でも10代で母親を亡くした母を思うと
切なくなって、なんか私まで涙が出てしまった。
で、ふと前をみたら彼母も泣いてたw
この一件があって、母と義母が仲良くなって
何年も後の事だけど、ふたりで鹿児島旅行なんかも
行ってた。
それで吹っ切れたのか、
色々あって伯父とも和解したみたい。
その母ももう亡くなったんだけど、
久しぶりに今晩鶏飯作ってみようかと思う。