昔、大田区品川区目黒区の境目あたりにある
マンションの最上階5階に1人で住んでた。
夜になると勝手にトイレの電気がついて流れる音がしたり、
ベランダに誰か立ってたり、ダイニングにいると
電話の内線で部屋から呼ばれたりした。
極め付けはある金曜日夕方うとうとしてしまい寝室で寝ていた。
その間に隣の区に住む親がこっちに早朝から用事があり
急遽泊まりに来たらしいんだけど、
寝室にもどこにも俺がいないし何度も電話掛けたのに出ないから、
勝手に泊まってた。
(それ自体はよくある事だった。てより親のマンションで、
親は無期限で祖父母の介護の為近隣の区に引っ越し。)
全く目覚めなかった俺が目が覚めたのが日曜の夕方で、
つまり丸々二日寝ていたらしい。
トイレに行こうと部屋を出たら親がいて、びっくりされた。
親いわく
『電話も何度もかけ、寝室も布団をめくって確認したけど、
お前はいなかった。
用事でお父さんお母さん揃ってきたけど、
用事があったのはお父さんだけで、お母さんはずっと
ここにいて家から出てないから、お前の出入りがあれば気付くはず』
当時のマンションは玄関入ってすぐダイニングキッチンで、
そこを通らず出入りは不可能。
俺の寝室もダイニングを通らないと行かれない。
夢遊病かと思ったけど、
母はその日の昼間も換気とそうじで俺の部屋に入ったけど、
俺はいなかったらしい。
知らない間に俺は神隠しにあって、
知らない間に帰ってきたようだ。
ふつーのサラリーマン家庭だよ。
古マンションだしな。
両親は父方祖父母の一軒家に住み込み介護みたいな
感じで行ってたんだ。だからこのマンションは、
いつか戻る予定だったから売る訳にもいかないし、
俺が住んでたってわけ。
場所はぼかすけど洗足池とか昭和医大とか、
田代が風呂覗いたとことか、まああの辺だ。