婚約者とられました。 付き合って4年、婚約して、 お互いの親に挨拶して、お互いの親戚達とも交流してた

婚約者とられました。

付き合って4年、婚約して、
お互いの親に挨拶して、お互いの親戚達とも交流してた。
新居のこと、将来のこと、
いずれ彼氏の親と同居することとかも話し合ってた。
本当にあとは「結婚するだけ」だった。
彼氏は若くしてとんとん拍子に出世していくし、
周りが皆祝福してくれてて、すごく幸せだった。

なのに、ある日突然
「他に好きな人ができた、別れてほしい」って…。
信じられなくて、ショックでショックで、
泣きながら色んなことを聞いた。

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浮気したの?→違う
ずっと隠してたの?→気持ちは隠してた
同時進行だったの?→違う
もう付き合ってるの?→付き合ってない
もう深い関係なの?→そんな事はしない!

意味がわからないと思って
「その人と付き合えそうだから別れるの?」
って聞いたら、

「そんなんじゃない、ただの俺の片思いなんだ、
叶わないのは俺が一番わかってる」
「ただ俺がその人のことを
好きになりすぎただけなんだ」

もう目眩がしました。

彼氏が言うには、

「その人と付き合えるなんて思ってない、
そこまで身の程知らずじゃない」

「お前のことも好きだけど、
それ以上に好きになってしまった、申し訳ない」

「こんな気持ちを抱えたまま結婚できないと思った、
本当に本当に申し訳ない」

だそうで。

彼氏は、自分の単なる片思いだって何度も言ってたけど、
私は信じてなかった。
絶対付き合ってると思ってた。
絶対証拠掴んでやるって思った。
片思い>婚約なんて有り得ない、馬鹿にするなって、
一瞬で悲しみから怒りに変わった。

とりあえずその人に会わして、と頼んだけど
「俺の気持ちの問題なだけで、その人は関係ない、
巻き込みたくない、迷惑かけたくない」
と言われ、
「その人のせいでこっちの婚約がなくなるんだよ!?
関係ない訳ないじゃん!!」 とキレました。

そしたら、
「本当に俺の心がわりなだけなんだ、
相手にも婚約者がいる、迷惑だけはかけたくない」と…。

再び目眩がしました。

お互い婚約者がいながら…?って思うと頭の中が沸騰寸前で、
「お互い婚約者いるのにそんな関係になったの!?
それってW不倫みたいなものだよ!」
と言ったら
「だからそういった関係はないって言ってるだろ!
お前はそれしか頭にないのか!」って逆ギレ。
深い関係でなければ慰謝料かからないと思ってんのか!
と苛々した。

「だって片思いで婚約破棄なんてあり得ない、
絶対ある訳ない」 と言っても、
彼氏は「俺の片思いだ」の一点張り。
もう疲れて、怒りより悲しみが勝ってきて、
虚しくてしょうがなかった。
振られた上に、嘘までつかれて
そのまま終わりそうだなんて、
今までの思い出とか、全部嘘みたいで。

会わしてくれないならせめて見せてほしい、
遠くからでいいからってお願いして、
それを彼氏が了承してその日の別れ話は終わった。
もっと詰めたかったけど無理だった。
精神的にズタボロだった、
その日はそのお願いまでで精一杯だった。

彼氏とその人は同じ会社だったから、
会社近くのカフェで2人で会ってもらった。
で、それを私が別の席から見るっていうへんな状況。
疲れてて、何も考えたくないくらいだったけど、
見たら何かかわるかもと思ってた。
今考えると意味不明だけど、
その時はそれしか考えつかなかった。

彼氏とその人がカフェに入ってきて、
その人のオーラが凄すぎてまた目眩がしました。
本当に、そこらの芸能人より綺麗、
可愛い、オーラが凄かった。本当に凄かった。
何より凄かったのが、全然今時っぽくないのに、
それでもオーラが凄かったこと。
見た時、あぁ負けたって思った。
持ってるものが違いすぎるって。

彼氏も、私の前とは違ってぎこちない感じで、
緊張してるのが伝わってきた。
彼氏は本当にこの人に片思いしてるんだってわかって、
心臓がヒュッと冷たくなった。

涙も出なかった、空っぽになった感じだった。
だけど、ひとつだけはっきりと考えてた。
別れるならきちんと別れなきゃ、
やることはやらなきゃって。

見せたからもういいだろ?な態度の彼氏に
「心の整理の時間をちょうだい」ってお願いした。
彼氏は了承してくれた、
それでお前の気持ちが少しでも落ち着くなら待つよって。

落ち着くも何も落としたのはお前だ!と思ったけど、
何も言い返さなかった。
傷心している彼女のフリしとこうと思った。
きっとその方が動きやすいからって。

なんでも持ってそうなのに、
私の彼氏にまで手を出したあの人が理解不能だった。
彼氏の話では、
お金持ちで美形の婚約者がいるって聞いてたから、
なおさらだった。

絶対深い関係になってると思ってた。
今は別れ話をした後だから気をつけてるかもしれないけど。
全部、その人の婚約者にもバラして、
なんなら協力し合おうと思った。

会ったこともないその人が私の味方だった。
親や友達には話せないでいたから。
皆があんなに祝福してくれてたのにって思うと、
どうしても言い出せなかった。

でも彼氏は違った。
職場の人達には即報告したみたいだった。
それで、会ったことのある、
彼氏と同じ会社の人が心配して私に連絡をくれた。

そこからは手っ取り早かった。
その人の婚約者の情報をあっさり手に入れられた。
連絡をくれた人と、その人の婚約者が
知り合いだったみたいでラッキーだった。

会社での彼氏の様子も聞けた。
ずーっと悩んでたって。
馬鹿じゃないの?って思った。

その後すぐにその人の婚約者に連絡をとった。
拍子抜けするくらい簡単に会えることになった。
それから会えるまでの日、話すことを考えてた。

確かな証拠はない訳だから、
相談って形でいこうと思った。
なんでそんなにこだわってたかわからないけど、
絶対暴いてやるって思ってた。

でも会ってみたら全然違った。
あの人の婚約者は、私の味方でもなんでもなかった。
私が勝手に「裏切られた者同士」
って思ってただけだったんだけど。

あの人の婚約者とは1対1で会った。
聞いてた以上に美形だった。今時っぽくないのに美形。
緊張しちゃったけど、即きりだした。

よく覚えてないけど、
「あなたの彼女と私の彼氏のことで話があって来ました。
私達は婚約解消します。

私の彼氏があなたの彼女に片思いしたそうです。
でも正直、私は信じられません。
ただの片思いではないと思ってしまいます。
すでに関係があるのかも、と。

あなたは何か彼女に対して感じたことはないですか?
いつも通りでしたか?」
みたいなことをもっと柔らかくゆっくり聞いた。

あの人の婚約者も、ゆっくり頷きながら聞いてた。

で、
「彼氏さんの言うとおり、
ただの片思いで間違いないと思います」って言われた。

「こんな質問や状況は初めてではないです、
あなたの彼氏さん以外にもいました。
僕の彼女を好きになって、
恋人や奥さんと別れた人達を知ってます。
それらは例外なく、彼らの片思いです。

僕の彼女は他の男に手出しをさせません。
彼らも彼女に手を出そうとはしないでしょう。
というか出せないと思います。

こういってはなんですが、
僕の彼女は手を出させない価値を
本能的にわかってるんです。
意識してるかはわかりませんが、
手を出させないことで価値が高まることを知ってます。」

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「僕たちは高校生の時から付き合ってますが、
その時からそうでした。
彼女が触れるのを許すのは、あの時も今も僕だけです。
他の男には一切を許しません。
プレゼントもなにもかも一切受け取りません。
彼女に対して他の男は、片思いしかできません。
貢ぐこともできませんからね。」

聞いてて頭痛くなった。
でも話はまだ続いた。

「強い要望で、彼女に興信所をつけたこともあります。
でも全部、彼女の潔白を証明しただけでした。
誓っていえます、僕の彼女とあなたの彼氏さんに
疑うような関係はないでしょう。

会ったことのある人は皆さんおっしゃいます、
叶わないのは自分が一番よくわかってるって。
叶わないし報われないけどって。

僕の彼女を悪魔呼ばわりする人達もいます。
それは半分仕方ないと思ってます。
彼女は毎回、なにも失いませんから。
ですが…婚約者と別れる(私)さんには酷な話ですよね、
本当に申し訳ないです。

こちらも出来うる限りのことをします。
僕の彼女が多大な迷惑をかけてしまい、
本当にすみません。
本当に本当に申し訳ありません。」

聞いててまた目眩がした。
気持ち悪い、酔ってるの?馬鹿じゃないの?
宗教みたいってひどいこと言ってしまった。
でもその人は、すみません、すみませんって言うばっか。
私の彼氏の話も、あの人から聞いてたらしく、
こうなりそうって思ってたって。
すっごーい惨めだった。

ひたすら謝られて、帰ったけど、
帰り着いたらすごく気持ち悪くなった。
気持ち悪いっていうか、こわくなった。
それまでずっと悲しかったのに、
彼氏がまるであの人達のマインドコントロールに
かかってるみたいに思えてきてこわくなった。

彼女に惚れるのは男だったら当然、仕方ないよ、
みたいな空気が気持ち悪かった。

それに、そんなにモテて仕方ない彼女なら
家から出すなよと思った。
お金あるんだから、専業主婦でもさせたらいいじゃんって。

でもとにかく気持ち悪かった。
だから、彼氏ごと関わるのをやめようと思った。

彼氏とあの人の証拠はつかめなかったけど、
別の意味でふっきれた。
だから、話に言って良かったなって、
多少強がりだけどそう思えた。
ただ運が悪かったんだ、男運とかもろもろの運が!
って考えてた。

そう考えて、やっと親や友達に話せる決意ができた。
話そうと思った矢先、あの人が私の職場に来た。
私って本当に運ないしタイミング悪いなぁ!と思った。

職場からの帰り道、あの人がいた。
あの人の婚約者はいなくて、一人で待ってた。
見つけた瞬間はイラッとした。謝りにきたの?
でもそれも上から目線の謝罪でしょって。

でも、話しかけられて、実際に謝られたけど、
全然苛々しなくなった。
なんていうか、不器用な人で、
うまいことも言えないし、真面目だし、
すっごい綺麗なのに、中身がピュアすぎる感じで…
違和感があるくらいピュアだった。

ごめんなさい、すみませんって
言っても仕方ないこと繰り返すから、
カフェに2人で入った。
そこでも謝ってきて、
なんか逆にこっちがいじめてる気分になってげんなりした。

ついでだからって彼氏のこともいろいろ聞いてみた。
仕事の範囲内で尽くしててきもかった。
「いいよもう、終わったことだし、
なんか今はすっきりしてるから、もう終わったから」
って私が言ったら、あの人がちっちゃく泣き出した。

勘弁してよ!と思いながら慰めてたら
「あなたは終われて、私は、終われないの」
って言い出した。

終われないってなにが?
モテモテが終われないって?知らんがな!
とか思ってたけど、
なんか少しずつゾワゾワしはじめた。
なんかこわいって思った。

その怖さにまけてまた苛々しだして、
あの人にちょっとあたってしまった。

「終われないってなにがですか?
こっちは終わらざるを得なかったんです。
だいたい、あんな美形で金持ちの婚約者がいるのに、
わざわざ今泣く意味がわからない。
あのちょっと胡散臭そうな婚約者と
うまく今までどおりやってきゃいいじゃないですか」
って言ったら(けっこうひどかった)、
え?って顔してこっちを見てくる。

婚約者のこと貶されて怒っちゃったかな、と思ったけど、
も~いいやって開き直って、
「婚約者さんはあなたのこと好きすぎて
大事すぎて宗教みたいですよ。
そこまで大事にされて、
他の男達に愛されてなにが不満なの?意味わからない」
ってさらに続けて言っちゃいました。

そしたら、「私の婚約者、おかしいと思った?」
って聞いてきたから、思ったって答えた。
そしたら急に目線が泳ぎだして、
「私もそう思う…」って言い出した。
はぁ~?と思ってたけど黙ってたら勝手にしゃべりだした。

最初は全然こわくなかったこと、
社会人になってからだんだんこわくなったこと。
ゆっくりゆっくり周りを溶かして固められてく感じが
すごくこわいこと。

それを周りに相談しても全く理解してもらえないこと、
皆婚約者の味方だということ。
何度か逃げ出そうとしたり、距離を置こうとしたけど、
全部無駄だったこと。

とにかく周りが2人の結婚は当たり前って雰囲気で、
身動きが全くとれないこと。
だから考えられなくなってたけど、
やっぱりおかしいって思うようになったこと。
その他もろもろのエグいこと。

サーって寒くなる話だった。
私関係ないし!と思いながら聞いてしまった。
DVとかパワハラみたいなもんじゃんって思った。
関係ないけどね。

でもなんかほっとけなくて、
あの人見てたらどうにかしてあげたいって思ってしまった。

その割にはお粗末だけど、
「周りのための結婚じゃないんだから、
ちゃんともう一回自分の口ではっきりいいなよ。
自分の親なら娘をまず信じるでしょ、
しっかりすれば状況かわるでしょ、
ていうかこういうときこそ
自分の信者たち使えばいいじゃん、助けてくれるでしょ」
ってよくありそうなこと言ったらさらに泣かれた。
わかってくれる人に久々にであえたって。
婚約者がおかしいんじゃなくて
私がおかしいのかとずっと思ってたって。

その瞬間から、私はその人に懐かれて、
アドレス交換もその時にした。
で、ちょくちょく連絡とってたら、
いきなり「今逃げた!」ってメールが来た。
場所は私にも教えてくれなくて、
とりあえず会社も休むみたいだった。
たぶんここらへんは信者の支援だったと思われ。

それで、案の定といえばそうだけど、
その日のうちにあの人の婚約者から連絡がきた。

「僕の彼女を知りませんか?
急に家を飛び出したみたいで心配しています」って。
はえーなと思った。

なんて返事しようかなって思ってたら、私の家に来た。
それにはさすがにびっくりした。
あの時興信所を私につけたのか?って思った。
さらに、私とあの人が連絡とってるのも知ってた。

そこまでくると、もうかなりの恐怖。
もう、なんで知ってるの?とも思わなかった。
玄関のそとで、
このままでいいんで聞いてくださいとか言って、
ただ語り出した。

彼女のことが大好きなこと、大事なこと、
彼女のために仕事も頑張ったこと、
その結果の成功も全部全部彼女のためなこと、
だから彼女には僕しかいないこと…。

自分がした努力を、
そのまま彼女からの愛情の引換券にでも
思ってるみたいだった。

おかしい人とか病んでる人って例外なくこわいけど、
美形の病んでる人って半端なくこわい。
愛情受け取って当然、なのになんで?みたいな…
この人は自分の世界でだけ生きてるみたいだった。

「中に彼女いるんですか?いるんでしょう?いるんだね?」
みたいにどんどん思い込んできた。
警察呼ぶべきかなって思ってたら、
あの時別れた元カレが来た。

その途端、ずーっとしゃべってた
あの人の婚約者がぴたっと黙った。
で、ただただ真顔で、じーっとドアの方見てきた。
元カレが話しかけてもシカト。
ただただ、じーっと、ずーっとドアの方を見てきた。
穴からのぞいてちびるかと思うくらい怖かった。
元カレもブるってた。

何分もずっとそのままでいたら、
急にその人が走り出してどっかいった。
元カレも私も動けないままだった。
で、元カレはなにも私に声かけずに帰っていった。

後からあの人から聞いたけど、心配でかけつけたけど、
顔も見たくないかなって思って
そのまま帰っていったみたい。

その後、あの人から連絡が来た。
結局婚約解消もうまくいったみたいだった。
あの人の婚約者は、
何事もなかったかのように働き続けてるらしい。
それはそれでこわいけど。
元カレはかわらずあの人に片思いしてるまんま。

私とあの人は、
なんでか友人のようになって、会ったりしてる。
よくわからないけど、なんでか懐かれてる。

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